
データサイエンティストになるためには?~役立つ資格や必要なスキルも紹介~
データサイエンティストは、ビッグデータを分析することでビジネスに役立つ新たな価値を見つけ出し、企業の業務改善や経営戦略などに生かすための情報を提供する仕事です。
近年ビッグデータの需要は高まっており、今後も高まり続けます。ビッグデータの活用に必要なデータサイエンティストは注目を集めている職種です。
本記事ではデータサイエンティストを目指すための方法を解説していきます。
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目次
データサイエンティストになるためには?
データサイエンティストになるためには複数の手段があります。
ここでは学生の方と社会人の方向けに6つの代表的なルートを紹介をします。
データサイエンティストになるための手段
専門の学部や専門科が設立されている大学を卒業後に就職する
データサイエンティストはビッグデータの分析が必要であり、分析にはプログラミングなどの情報処理のスキルや統計学を活用する必要があります。そのため、専門の学部や学科が設立されている学校で学ぶことはおすすめの方法の一つになります。
近年データサイエンティストが注目を集めており、それにともなって専門の学部を開設している学校や、データサイエンティスト分野の授業が受けられる学校が増えています。社会人の方でも学べるようなコースを提供している学校もあります。
文系職から転職する
文系でも経済学や社会学は、データサイエンティストの仕事に活かすことができます。ただし文系の学部ではプログラミングの知識が身につかない場合が多いため、エンジニア職としてプログラミング経験やデータを扱うなどして実務経験を積むことをおすすめします。また近年ではスクールや講座なども増えているため、そのような教材を活用して行くのも方法の一つです。
実務経験を積み、自分の強みをアピールできればデータサイエンティストへの転職も可能です。
エンジニア職から転職する
Webエンジニア・システムエンジニア・データエンジニアなどを経験し、データサイエンティストに転職することが一般的には多いです。これらの職種は日常的に大量のデータを扱う機会が多いため、データサイエンティストと近い職種といえます。
特にPythonやSQLを用いた開発経験やデータベースの操作、データ抽出の経験があると、転職市場での市場価値が高いです。
ただし「ビジネス力」「データサイエンス力」を補強する学習やスキル取得が必要になります。具体的には、統計・分析の基礎やマーケティングの学習、ビジネスモデルなどに対する理解を深めることが大切です。
より詳しい内容は次の「データサイエンティストになるためにはどんなスキルが必要?」の項目で紹介しています。
マーケターから転職する
マーケターもデータサイエンティストと近い職種です。マーケターは製品やサービスを市場に効果的に提供し、顧客にアプローチをして売り上げを向上させるための戦略を立て、実行する専門家です。日常的に市場調査やビジネス課題の選定を行うため、データサイエンティストに求められる「ビジネス力」を備えていることが多いです。
一方で「エンジニア力」については補強が必要です。R言語やPythonといったプログラミング言語に対するスキルを重点的に学習する必要があります。
社内養成や公募を利用してキャリアチェンジをする
企業によっては、社内でキャリアチェンジプログラムを用意し、データサイエンティストの育成に努めている企業もあります。データサイエンティストが注目を集め始めてから、社内育成を実施する企業の数は増え続けています。
転職エージェントを活用して転職する
データサイエンティストは、プログラミング言語やビジネスに関する知識がない場合、実務未経験からの転職は難しいという現状があります。比較的新しい職種で転職に関する情報も少ないため、転職アドバイザーなどの支援を受けながら転職活動を行うことをおすすめします。
転職エージェントを利用することで、転職に関する的確なアドバイスを受けることができます。またその企業でデータサイエンティストの育成体制や業務内容がどのようになっているのかなど、企業の内情を知ることもできます。
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データサイエンティストになるためにはどんなスキルが必要?
データサイエンティストの業務は多岐にわたるため、様々なスキルが複合的に求められます。データサイエンティスト協会では「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の3つのスキルが必要とされています。
以下ではこれらの3つのスキルを詳しく説明していきます。
ビジネス力
ビジネス力とは、クライアント企業が抱える課題を把握し、解決に導くためのスキルです。ここでは特にデータサイエンティストに必要とされる要素をご紹介します。
コミュニケーション力
データサイエンティストは社内での業務に加え、クライアントに対してデータ分析に関する課題や要件をヒアリングしたり、分析結果をわかりやすく伝えることも多いため、コミュニケーション能力は必要不可欠といえます。
マネジメント力
データサイエンティストには目標設定やタスク調整を行うスキル、チームの目標達成に向けて育成やナレッジの共有に取り組む姿勢も必要です。またプロジェクトの予算やシステム環境などのリソースを最大限に活用しながら進捗を管理する能力も求められます。
提案力
データサイエンティストに必要な提案力は、データの分析結果をもとに、ビジネスに役立つ解決策や戦略を提案する力です。分析した結果をビジネスニーズに合わせて具体的な提案に繋げることが重要です。
論理的思考能力
論理的思考能力とは、物事を筋道をたてて考える力です。問題を整理し、結論を導き出すために使います。データサイエンティストはデータを活用して企業の問題を解決する職種のため、業務内容のすべてで論理的思考能力が必要になります。
データサイエンス力
データサイエンス力とは、データ分析、機械学習、統計学、プログラミングなどの知識とスキルを総合的に活用して、データから有益なインサイトや予測を導き出す能力を指します。この能力を高めるためには以下のような要素が必要です。
分析・統計に関する知識
データサイエンティストには、データを正確に理解し分析するための統計や分析の知識が必要不可欠です。そのためには情報処理や数学、統計学の知識が必要なことに加え、分析内容をビジネスに応用するスキルも求められます。
データ分析のための収集と可視化能力
データサイエンティストには大量のデータを効率的に収集し、視覚的にわかりやすく整理することが求められます。この能力により、複雑なデータの傾向やパターンを明確に示すことができ、意思決定や戦略立案をサポートすることができます。
機械学習や統計モデルのスキル
膨大なデータの中からパターンを見つけ出す作業を人間の能力だけに頼るのには限界があります。そのため、データサイエンティストは機械学習やデータマイニングなどの手法を利用します。機械学習や統計的なアプローチにより、ビッグデータの中に想定外のパターンが数多く潜んでいることを発見するために、このスキルは必要になります。
データエンジニアリング力
データサイエンティストは、分析や予測モデルを作成するためにデータを使う立場ですが、その前提として、データが適切に整備されていることが不可欠です。データエンジニアリング力は効率的なデータ処理を実現するために重要です。
プログラミングスキル
膨大なデータ処理を行うために、プログラミングスキルも必要です。データサイエンティストが用いるプログラミング言語は、人工知能と統計処理に強い「Python」や統計解析向けの「R言語」、データを抽出するための「SQL」などが主流になっています。
システム開発・設計のコーディングスキル
データサイエンティストの仕事では、データの処理や管理、分析のためのツールを使用します。その際に、具体的にどのようなシステムが必要なのかを検討し、設計と開発を行う必要があります。そのため統計や人工知能のためのものではなく、より広範囲の開発が可能なプログラミング言語の知識が必要です。
ITセキュリティー
ITセキュリティーは「機密性」「可用性」「完全性」を満たすシステムを作るスキルのことです。企業のデータはハッカーが狙う対象になりやすいです。どのような攻撃があるのか情報を収集して、セキュリティ攻撃に対する対策を打っていくための知識のアップロードが必要になってきます。
データサイエンティストに役立つ資格7選
ここではデータサイエンティストを目指すうえで役立つ資格を7つに厳選してご紹介します。
役立つ資格7選
統計検定
統計検定は、統計学に関する知識やスキルを証明する全国統一試験です。
データに基づいて客観的に判断し、問題を解決する能力が問われます。統計検定では「データサイエンス力」が養えます。学習を通じてデータ分析の能力から、統計学の数式的な理解まで幅広く学べます。
情報処理技術者試験(基本情報及び応用情報)
情報処理推進機構(IPA)が主催するIT技術者向けの検定試験です。基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の2種類があります。
基本情報技術者試験ではデータ分析の基礎を磨くスキルを取得できます。
応用情報技術者試験は、合格することでIT全般の応用スキルを保有することを証明できます。
データベーススペシャリスト試験
この試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する「情報処理技術者試験」の中でも、特に難易度が高い「高度試験」にあたります。ビッグデータを効率的に管理・運用する高度なスキルを証明する国家資格です。
具体的には、データ資源管理とリポジトリシステムの扱い、ニーズに基づく正確なデータモデリング、セキュリティーを考慮したデータベース管理などが問われます。
アクチュアリー資格試験
アクチュアリー資格試験は、公益社団法人アクチュアリー会が開催している資格試験です。
日本語で「保険数理士」や「保険数理人」とも呼ばれるアクチュアリーは、保健業界の高度専門職です。
データサイエンティストに関連が深いのは数学で、この科目に受かると一定のレベルにあることをアピールすることができます。
OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験は、オープンソースデータベースに関する技術力を評価する試験で、データベースの知識を深めたい方に適しています。
OSS-DB技術者認定試験には、SilverとGoldの2つのレベルがあります。
OSS-DB Silverのレベルでは、PostgreSQLの基本的な運用管理や開発に関連する知識が問われます。
OSS-DB Goldでは、より高度なレベルで、大規模データベースシステムの運用管理や開発に関連するパフォーマンスチューニング、障害対応など応用的な内容が含まれます。
Python3エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、Pythonを使用したデータ分析スキルを評価する試験です。Python3エンジニア認定基礎試験の上位試験に該当します。Pythonの基礎、数学の基礎に加えて、データ処理、可視化、統計分析まで幅広い内容が出題されます。
G検定・E資格
G検定(ジェネラリスト検定)は、ディープラーニング(深層学習)を事業に活かすための知識を有しているかどうかを確認するための試験です。人工知能やディープラーニングに関する幅広い内容が出題されるため、知識を体系的に整理し、正しい本質的な理解を身につけることができます。
E資格(エンジニア資格)は、ディープラーニングを開発・実装するエンジニア向けの資格です。E資格の取得により、機械学習の特に重要な手法であるディープラーニング分野についての深い知識とスキルを有することを証明できます。
データサイエンティストの需要と将来性
IDC Japanが発表したビッグデータの今後の需要予測では、国内ビッグデータおよびアナリティクス市場支出額は2022年〜2027年の年間平均成長率が14.3%で成長し、2027年にビッグデータに3兆541億円に達すると予測しています。(参照:2024年の国内ビックデータ)
今後もビッグデータの需要が高まることは確かであり、ビッグデータの活用に必要なデータサイエンティストの需要も高まり続けるでしょう。
今後も求められる職業であるデータサイエンティストの将来性は明るいといえます。
詳しい内容は下記の記事をご覧ください。
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データサイエンティストを目指すならプロに相談しよう
この記事では、データサイエンティストの目指し方を紹介しました。データサイエンティストは将来性が高い一方で、様々なスキルが複合的に求められる難易度の高い職種です。
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