【将来性】データサイエンティストはAIに取られてしまうのか?なくなると言われている理由と実態を解説!
「2030年までに日本中の業務の27%が自動化される」と言われています。
自分の働いている業界は将来AIに仕事を取られてしまうのか気になる人が多いのではないでしょうか。
データサイエンティストは大丈夫だろうと思っている方も多いと思います。
本記事では、データサイエンティストは本当にAIに仕事を取られないのか、業界の将来性を解説していきます。
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目次
データサイエンティストはAIに取られてしまう仕事なのか
結論から言うと、データサイエンティストの全ての業務がAIによって奪われることはありません。
ですが、一部の業務はAIによって自動化される可能性が高いです。
データサイエンティストの主な業務は膨大なデータを分析し、その結果を元に経営に役立つ情報や新しい戦略を考察することです。
その一方で、AIは情報の分析を得意であるため、データサイエンティストの業務に重なる部分が多くあります。
実際に、MicrosoftのAzure MLやIBM Watson StudioのAuto AI、SonyのPrediction Oneなどによる自動の分析ツールを活用することで情報の自動分析は可能になっています。
そのため、データサイエンティストに求めるスキルとしてプログラミング能力の比重が年々軽くなっていき、将来的には現在ほどデータサイエンティストの需要がなくなるのではないかと言われています。
業務の一部は自動化される可能性が高いですが、情報を分析した結果を元に今後の戦略を考えることはAIに代替することはできません。
その根拠としてAIは人間の手段として従うことに優れているため、戦略を自ら考えることを苦手とします。
また、合理的でない判断をすることもAIの苦手分野です。データサイエンティストは、分析した情報を元に状況によって臨機応変に適切な戦略を考える必要があるため、AIに全ての仕事を奪われる心配はないでしょう。
データサイエンティストがなくなると言われている理由
前のセクションで、データサイエンティストはAIによって仕事を奪われないと言うことが分かりました。
しかし、AI以外にもデータサイエンティストの仕事がなくなると言われている理由があります。
その理由は以下の通りです。
データサイエンティストがなくなると言われている理由
- 職種が細分化される可能性がある
- プログラミング能力の高さが求められなくなる
- AIの活用と人材獲得競争の激化により優秀でないと活躍できない可能性がある
職種が細分化される可能性がある
データサイエンティスト協会によると、「データサイエンティストとは、高度に情報化された社会において、日々複雑化及び増大化(ビッグデータ化)するデータを、利用者の利用目的に応じて情報を収集・分析する技術を有し、ビジネスにおいて実行可能な情報を作ることができる者」と定義されています。
データサイエンティストの業務は幅広く、職務内容も業界によって変わります。また、データサイエンティストに求められるスキルも多いです。
データサイエンティストに必要なスキルとして「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」「ビジネス力」の3つが挙げられます。
職種の細分化はこのスキルに基づき、データサイエンス力に注力したデータアナリスト、データエンジニアリング力を強みとしたデータエンジニア、そしてビジネス力を強みとするビジネストランスレータの3つに分かれていくと予想されています。
細分化されることでデータサイエンティストという職種の名前がなくなる可能性はありますが、データサイエンティストとしての仕事がなくなるわけではありません。
職種が細分化される可能性は十分考えられるため、今から自分の得意分野やキャリアプランを明確にしておくことをおすすめします。
プログラミング能力の高さが求められなくなる
データサイエンティストはビックデータを取り扱うため、IT知識としてプログラミング知識が求められています。
一方で、近年では専門知識を不要とするノーコード / ローコードの開発環境や生成AIを活用したプログラミングが注目を集めており、データサイエンティストはいずれ必要なくなるのではないかと言われています。
実際にAI ProgrammerやChat GPTでは目的に沿ったコードを自動で作成することが可能です。
しかし、データサイエンティストの業務は多岐に渡るため、プログラミング能力が求められなくなるとしても、データサイエンティストがなくなるわけではないでしょう。
今後プログラミング能力の高さが今よりも求められなくなる可能性はありますが、必要のないスキルではありません。
実際にプログラミングの知識がある人とない人ではトラブルが起きた時やコードを確認する時などに大きな差があります。コードを自動で作成できるツールができましたが、まだまだ出来上がったコードにはミスが多くそのまま使用することは難しいです。
プログラミング能力の比重は軽くなる可能性が高いですが今後も求められる能力でしょう。
AIの活用と人材獲得競争の激化により優秀でないと活躍できない可能性がある
現在、データサイエンティストは需要が高まっているにも関わらず人手不足が続いています。
2020年のデータサイエンティスト協会の調査によると、データサイエンティストを採用したい企業のうち、実際に目標人数を採用できた企業は半数以下と人手不足が続いている業界です。
人手不足が続いている要因として、データサイエンティストの業務に関して理解のある人が少ないことが挙げられます。
一方で、2021年から小学校や中学校ではプログラミングを授業の必修科目に追加するなど人材確保のための取り組みも行われているため今後IT知識を持つ人材が増えていくことは確実です。
また、先述した通りAIの活用により一部の業務は自動化される可能性が高く、データサイエンティストの必要人数も減っていくかもしれません。
IT人材の増加や業務の効率化によりデータサイエンティストがなくなるとは考えにくいですが、企業によっては人材獲得競争が激化されることが予想されます。
人手不足が続いている業界ですが、今後も活躍するためにはスキルアップが必要でしょう。
データサイエンティストの将来性
先述した通りデータサイエンティストは急速なIT人材の需要が急速に高まっており人材不足が続いている業界です。
IDC Japanが発表したビッグデータの今後の需要予測では、国内ビッグデータおよびアナリティクス市場支出額は2022年~2027年の年間平均成長率が14.3%で成長し、2027年に3兆541億円に達すると予測しています。
今後もビッグデータの需要は高まることは確かであり、ビッグデータの活用に必要なデータサイエンティストの需要も高まり続けるでしょう。
また、データサイエンティストは膨大なデータを扱うためのITスキルだけでなく、分析したデータから新たな事業の可能性や戦略を考えるビジネス力など、あらゆる面で高度なスキルを求められるため人材の育成にも時間がかかっており、人材不足が解消されるのはまだ先の話でしょう。
人材不足でありながらも今後も求められる職業であるデータサイエンティストの将来性は明るいといえます。
データサイエンティストの実態
ここではデータサイエンティストの実態を年収、残業時間、ワークライフバランスに分けて解説します。
年収
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 339.68万円 |
25~29歳 | 413.66万円 |
30~34歳 | 499.33万円 |
35~39歳 | 585.43万円 |
40~44歳 | 598.56万円 |
45~49歳 | 661.4万円 |
50~54歳 | 689.03万円 |
55~59歳 | 686.76万円 |
厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」によると、データサイエンティストの平均年収は554.3万円でした。
国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると国内の平均年収は458万円でした。
データサイエンティストは上記の表のとおり最大で平均689万円であることからも、年収は高めであると言えます。
また、データサイエンティストは年齢だけでなくITスキルによって年収は変化します。
以下がITスキル別のデータサイエンティストの年収です。
スキルレベル | 年収 |
---|---|
ITSSレベル3 | 600~900万円 |
ITSSレベル4 | 650~950万円 |
ITSSレベル5 | 700~1100万円 |
ITSS(IT Skill Standard)とは、経済産業省が定めているITに関する能力を評価する指標です。
ITSSレベル1~2は最低限の知識を有していることを指し、ITSSレベル3~4になると自らの能力を駆使して、独力で課題の発見や解決を求められます。
ITSSレベル5以上になると企業にハイエンドプレイヤーとして認められた存在となります。
データサイエンティストはITスキルが高ければ、高い年収を獲得することも可能でITSSレベルが5以上であれば年収1,000万円以上も期待できます。
残業時間
転職サイトGeeklyの調査によるとIT業界全体の平均残業時間は23.2時間でした。
本サイトの他の記事で紹介しているデータサイエンティスト企業の残業時間は19~32時間であることからもデータサイエンティストの平均残業時間は25時間ほどであると考えられます。
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」では、一般労働者の月平均残業時間は13.8時間であることからもデータサイエンティストの残業時間は平均よりも多いです。
ワークライフバランス
先述した通り、残業時間は平均よりも多めですがワークライフバランスはとりやすい業界です。
その理由にテレワークがあります。
2021年に総務省統計局が実施した「社会生活基本調査」によると、通勤時間の全国平均は往復で約1時間19分でした。1ヶ月だと移動時間だけで26.6時間になります。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によるとIT業界はテレワーク実施率が56.3%と全業界の中でもトップクラスです。
上記のグラフの通りデータサイエンティストは残業時間こそ平均より多いですが、在宅ワークを活かすことで他の業界よりもライフワークバランスは取りやすいと言えるでしょう。
今後も求められるデータサイエンティストになるには
データサイエンティストは今後も高い需要のある職種ですが、今後も活躍するためにはスキルアップは必要です。
このセクションでは今後も活躍するために必要なスキルを紹介します。
今後も活躍するために必要なスキル
- IT言語に関する知識
- ビジネススキル
- コミュニケーション能力
- 閃き、倫理的判断
IT言語に関する知識
前のセクションで説明した通り、今後プログラミング能力の高さは現在よりも求められなくなる可能性は高いです。しかし、トラブルが起きた際やコードを確認する際にはコードに理解がある人とない人ではスピード感や質も異なります。
また、業務の中にはデータの処理や分析を行う際にどのシステムが必要なのかを検討する場合があります。
時には設計や開発も行うこともあるでしょう。
そのためには広範囲の開発が可能なプログラミング言語の習得が必要です。
プログラミング能力は今よりも求められなくなると言われているからこそ差のつけどころです。
ビジネススキル
データサイエンティストは分析したデータから課題を解決したり、今後の戦略を立てることがあります。
そのため、企業のビジネスに関する知識はもちろん、社会全体のビジネスに関する知識も求められます。
ビジネススキルが欠けていると膨大なデータを分析しても、「そのデータから何がわかるのか」「そのデータをどう解決していくのか」などを考察することが難しいです。
データ分析を行う目的やどこを1番のポイントにするのかを明確にすることで良い分析へと繋がっていきます。
データ分析を行い結果を得るだけではなく、その先まで求められるデータサイエンティストだからこそビジネススキルは必ず必要なスキルであると言えます。
コミュニケーション能力
データサイエンティストは今後の経営戦略や課題特定を行う重要な役割を担っています。
分析結果から課題や戦略を立てるだけでなく、それを企業や顧客に正確に分かりやすく伝える必要があります。
また、現場の声を聞いて課題を特定することも今後の方針を検討する上で重要です。
プレゼンテーションや現場でのヒアリングが上手であれば信頼関係を築くことができ、次の業務にも繋がりやすいです。
企業や顧客に戦略をプレゼンテーションしたり現場でのヒアリングを行う際にコミュニケーション能力が高い人は大きな強みとなるでしょう。
閃き、倫理的判断
経営戦略や課題への対処法を考える上で、「どのようにアプローチするのか」「どの順序で何から行うか」などは頭を抱える部分です。その際に閃きや直感は重要です。
目的を果たせられればどんな戦略を実行しても良いわけではありません。そのため、倫理的な判断力も戦略を考える上で重要なスキルになります。
データ分析やコードの記入と違い、閃きや倫理的判断はAIの苦手分野です。
閃きや倫理的判断は人間ならではの力のため、このスキルがあると今後も活躍が見込めます。
データサイエンティストの需要が高い業界
データ分析はあらゆる業界で必要とされているため将来性の高い職種です。
データサイエンティストの需要が高まっている業界は以下の通りです。
データサイエンティストの需要が高い業界
- IT業界
- 金融・保険業界
- 製造業界
- 広告業界
- 官公庁
IT業界だけでなく膨大な顧客情報を取り扱う金融・保険業界でもデータ分析やAIを活用し業務の効率化に積極的に取り組んでいます。
また、広告業界でもECの普及に伴いWeb広告から膨大な情報が蓄積されておりデータサイエンティストの活躍が見込まれる業界です。
機械化が進んでいる製造業でも更なる効率化や機械の管理など最新技術がまだまだ必要です。
さらに、民間企業だけでなく官公庁でも都市開発にデータの活用が行われることもあります。
まだデータの活用が行われていない業界でも、今後データの分析が活発に行われる可能性は高く、幅広い業界で需要のある職種です。
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データサイエンティストがなくなると考えるのはまだ早い
今回は、データサイエンティストはAIに仕事を取られてしまうのかについて解説しました。
データサイエンティストはAIだけでなく職種の細分化やプログラミング能力の比重が軽くなることから将来なくなると言われることがあります。
しかし、データサイエンティストは急速に需要が高まっていることからも人材不足であり、今後も幅広い業界で必要とされる職種です。
一方で、IT人材の育成に国が力を入れていることからも将来、人材獲得競争が激化することも考えられます。
今後も活躍するためにはITスキルやビジネス力などの自身のスキルを高めることも重要ですが、需要が高まっている業界に転職することもおすすめです。
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