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POSTED
2024年3月8日
UPDATE
2024年3月25日

M&A仲介への転職で失敗しないためには?後悔しやすいポイント3選と対策

M&A

最近、非常に盛り上がりを見せているM&A業界。
中小企業の後継者不在問題によるM&A需要の高まりにより、業界全体が急成長中です。

M&A仲介には多くの魅力があります。

M&A仲介の魅力

  • 収入:インセンティブ次第で年収1,500万円、時には数千万円にもなりうる
  • やりがい:クライアントの経営課題を解決する貢献性の高さ
  • キャリア:営業だけでなく、財務や経営まで携わり他では成し得ないビジネスマンとしての成長を実現できる

しかし一方で、ほとんどの人にはあまり馴染みが薄い業界なだけに、「転職して失敗しないか」後悔しないだろうか?」と不安に思う人もいると思います。

この記事ではそんな不安にこたえていきます!

M&A仲介への転職で後悔すること3選

M&A仲介への転職で後悔すること3選

  • 激務
  • 地道な営業活動
  • 活躍できない

1. 激務

M&A仲介の残業時間は、忙しい時で月80~90時間、少ない月で月20時間程度と言われています。忙しすぎて身体を壊してしまうというほどではありませんが、激務であることは間違いないでしょう。

後述するように、M&Aは長いプロセスなため複数の案件を同時に持つことになります。そのため複数案件がDD(デューデリジェンス)などの佳境に入っているときはとても忙しくなります。場合によっては徹夜や休日出勤もあるかもしれません。

M&Aには多くのプロセスがあるため、特に入社1~2年は仕事を覚えるために忙しくなります。キャッチアップのために休日にも自主的に勉強することがあるようです。また、案件は一つ一つ異なるので慣れてきてからも勉強が必要になります。

総合的に考えると、ワークライフバランスを最優先させたい人には向いていないでしょう。

2. 地道な営業活動

M&A仲介と聞くと、営業の花形のような華々しいイメージですが、実際はかなり地道で泥臭い営業活動が求められます。特に売り手企業への電話営業があります。多い時では一日に数百件の電話をかけることもあり、首尾よく社長につながっても全く相手にしてもらえないことも少なくありません。

断られる経験に慣れていない人や地道な営業活動を想定していなかった人にはつらく感じるでしょう。

3. 思ったよりも活躍できず、収入が増えない

M&A業界転職に関する不安では、「思うように結果が出ず、年収も増えないのでは?」という不安がもっとも多いのではないでしょうか?

M&A仲介はインセンティブ比率が非常に高いため、自分のパフォーマンス次第ではあまり稼げない可能性があります。

激務や仕事の大変さには覚悟を持っている人が多いと思いますが、高収入を目指して転職したのに前職よりも年収ダウンしてしまっては大変ですよね。

平均年収が1500万円ほどの大手であっても、年収1500万円以上になれるのは上位30%と言われています。実際、こちらの収入分布(2024年3月13日時点)を見ると、年収1500万円以上は32%程であることがわかります。これは青天井のインセンティブによって超上位層が平均年収を引き上げているためです。

M&A仲介大手の会社に入社してくるのは、前職でトップの成績を収めててきた営業マンの上位層ばかりであることを踏まえると、その中でさらに上位に入るのは容易ではありません

また、1年のうちで1件も成約できなければインセンティブはゼロです。固定給は400~800万円程度が相場なので前職年収を下回ってしまうかもしれません。

M&A仲介大手の平均勤続年数3~4年ほどと短く、想定していた成果を出せなかったことが早期離職の一因になっています。

つまり、ただM&A仲介会社に入っただけでは高収入は得られないということです。

では、いったいどのようなところに難しさがあるのでしょうか?

M&A仲介での活躍が難しい3つの理由

M&A転職後に想定よりも稼げない理由として、ここでは次の3つに注目します。

1. 成約の難しさ

M&Aプロセスはおおまかにこの図のようになっています。M&Aは長いプロセスであり、それぞれの段階で難しさがあります。

まず大変なのはM&Aの相手探しです。候補を見つけるために多くのテレアポやDMをする必要があり、特に自分のクライアントリストをもたない若手は多くの時間を割く必要があります。ただ、会社によっては部分的に自動化されていたり別部隊が担当していたりと、効率化が進んでいます。

秘密保持契約に取り付けた後に破棄になることもよくあります。
通常、秘密保持契約をした後に企業名を含めたお互いの企業の詳細を知ることができますが、その段階で条件が合わなかった場合は案件がなくなってしまいます。

最後の最後で無くなってしまうというケースもあります。

M&Aには相談から成約まで半年~1年ほどかかるといわれていますが、その最終条件交渉の手間で売り手企業に対してDD(デューデリジェンス)という企業調査が行われます。

多くは未上場の中小企業ですので、DDをしてみたら重大な問題が発覚するというケースが少なくありません。売り手企業主としては都合の悪い情報を自分から開示するメリットがないからです。

そうして、最後の最後で時間をかけて進めてきた案件が白紙になってしまうということが起こりうるのです。

2. 他の営業職との性質の違い

M&Aは扱う対象が1つの会社という複雑なものであり、他の営業職とは性質が異なります。企業の売買には単純に契約金額の大きさだけではない重みがあるからです。売り手企業・買い手企業それぞれの取引先、従業員の生活、買収後の経営統合課題など影響は多岐にわたります。

したがって、

  • 法務、会計、財務、税務などの幅広い経営知識に裏付けられた”企業を見る目
  • 経営者の懐に入る”人に好かれる力
  • 経営者の気持ちや悩みを深いレベルで理解する”地頭の良さ
  • そしてそれに寄り添いともに解決へ導く”人間力
  • 無数にある調整事項を粘り強くすり合わせていく強い”コミットメント

など多くの能力が必要になります。

これはM&Aがビジネスの総合格闘技と言われる由縁です。そのためM&A仲介に習熟するためには多くの時間と努力が必要になるのです。

3. モチベーションが報酬のみだときつくて続けられない

ここまで見てきたように、M&A仲介には地道な営業努力ハードワーク、経営に関する広い専門知識が求められ、成果が出るまでに時間がかかります

多くの人はM&A業界の高収入な面に惹かれて入ってきますが、モチベーションが単純に報酬のみだと、成果が出るまでの長い道のりを耐えることができません

企業オーナーは、自分がこれまでに大切に育て経営してきた会社に並々ならぬ思いをもっています。

その大事な企業を売りに出すというのは難しい決断です。

そういった気持ちに寄り添い、買い手・売り手双方にとって最適な選択をご提案し、経営上の問題を解決する。このプロセスに大きなやりがい面白さを見いだせないと続けられません。

特に事業継承問題を解決することで企業オーナーから非常に感謝されることが多いといいます。

ビジネスの総合格闘技とも言われるM&Aを通してキャリアを広げ自分を成長させていくことや、顧客の課題を解決して感謝してもらうことに大きな喜びを感じられる人がM&A仲介に向いているといえるでしょう。

ここまで、M&A仲介への転職後に稼げないかもしれない理由を見てきました。
それでは、どういったことに注意すればM&A業界で活躍することができるのでしょうか?

入社・選考前の対策

まずは入社前・選考前に意識したい対策をご紹介します。

1. 徹底的な情報収集をする

M&Aは複雑なプロセスです。入社前に完璧にしておく必要はありませんが

  • M&A案件の大まかな流れ
  • 投資銀行やFASとの違い
  • M&A仲介業界内の各社の位置付け

前述したように複雑なプロセスであるため、M&A業界の実態について自分でよく調べてみましょう。

2. 勉強をする

M&A仲介で仕事をするために必要な資格はないですが、M&Aに関する知識や営業マナーなどは身に着けておく必要があります。

特に、決算書をしっかりと理解できるようにしておきましょう。
決算書以外にも財務関連の知識の勉強はできるだけあった方がよいため、書籍やオンライン講座で学んでおきましょう。

3. 転職エージェントに相談する

ここまで見てきたように、M&A転職は選考突破においても入社後の活躍においても様々な難しさがあり、自分ひとりですべてを解決するのは大変です。特に現職が忙しい方はなおさらでしょう。

そこでおすすめなのが転職エージェントです。特にM&A仲介業界に特化した転職エージェントがおすすめです。

業界情報の収集・自己分析のサポート・徹底した選考対策サポート・内定後のキャリアサポートまですべて無料で対応してくれます。
現職が忙しくなかなか転職のための時間が確保できない人にこそおすすめしたいサービスです。

詳しくは以下の記事にまとめてありますのでぜひ参考にしてみてください。

M&A仲介におすすめの転職エージェント比較

入社後の対策

次に入社後に意識したい対策を2つご紹介します。

1.泥臭く取り組む

前述したように、M&Aプロセスは長い時間がかかり、いつ成約が破棄になるかわからない先のみえない道のりです。
特にまだクライアントを持っていない1年目~2年目は、案件を取ってくるために大量の電話営業やDMをする必要があります。

M&Aコンサルタントはとても自由度が高く自分の裁量で働くことができるため、意識的にストイックに動いていかないと売り上げを上げることができません。
すぐに成果が見えなかったとしても地道にストイックに取り組んでいく必要があります。

2.積極的に頼る

M&Aは奥が深く、専門知識も必要になる難しいプロセスです。特に企業オーナーとの交渉は未経験者にとっては大変です。

そのようなときこそ、上司やエース社員の力を借りることが大切です。できる人の仕事ぶりを見てまねることで効率的に成長することができます。

M&A仲介会社に入社できる人は前職で優秀だった人ばかりだと思いますが、前職とは全く別物だと割り切り、新たに学んでいく姿勢が大切になります。

入社後の配属先まで支援するM&A特化転職エージェントはこちら

M&A仲介会社で得られるものは大きい

ここまでM&A仲介会社で活躍することの難しさとその対策を見てきました。
しかし、それらの困難を差し引いても、M&A仲介にはたくさんの魅力があります。

報酬

M&A仲介大手3社の平均年収は1,400万円を超えています。

未上場企業であっても800万円以上が多く、他業界と比べてかなり水準が高いことがわかります。
インセンティブ構造は企業によって異なりますが、3,000万円を超えることも珍しくありません。

外資系投資銀行やPEファンドなどの一部の限られたエリートコース以外のキャリアでこのような高水準の報酬をもらえる業界は他にはなかなかないでしょう。

成長

M&Aプロセスを通してビジネスマンとしての高い成長が期待できます。

財務やビジネス周りの知識・スキルもありますが、「人間性」を磨くことにもつながります。
1企業という複雑で様々な人の想いが込められたものを対象に、売り手と買い手の意見を調整し、落としどころを見つける仕事は、単純な知識・スキルだけでは成し遂げられません。相手の求めていることに対応しながら関係を構築していく能力が必要になります。

やりがい

日本には後継者不在問題を抱えた企業が数十万社あると言われています。

ずっと黒字であったり、素晴らしい技術をもっているにもかかわらず、会社を閉じなければならない中小企業が多く存在するのが現実です。そういった切実な社会課題に直接かかわることができるM&A仲介は、大変やりがいのある仕事です。

転職エージェントを活用しよう

M&A転職は、選考においても入社後の活躍においても難しさがあります。

だからこそ、転職エージェントがおすすめです。

転職エージェントを活用して、輝かしいM&Aコンサルタントのキャリアをスタートさせましょう。

M&A仲介におすすめの転職エージェント比較

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