M&A仲介からのキャリアパスとは?仕事内容や身につくスキルをもとに解説!
M&A仲介はビジネスの総合格闘技といわれるほど、あらゆる業務に携わる機会があります。
そんなM&A仲介からは、どのようなキャリアパスの選択肢があるのか?仕事内容やM&A仲介の業務で身につくスキルを基に解説していきます。
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目次
M&A仲介の仕事内容
M&A仲介は買い手企業と売り手企業の間に立ち、企業や事業の売買をスムーズに行うための仲介役を担います。
M&A仲介の仕事内容は、大きく準備・検討、マッチング・交渉、最終契約の3つのフェーズに別れます。
準備・検討フェーズでは、案件の発掘、顧客である企業との面談、秘密保持契約やアドバイザリー契約などの各種契約の締結、M&Aの方針・価格といった売買計画の策定といった業務を行います。
マッチング・交渉フェーズには、買い手企業と売り手企業のマッチング、企業のトップ同士の面談・双方の条件の調整・契約締結、デューデリジェンスといった業務があります。
最終契約フェーズには、最終条件の調整、最終契約の締結、クロージングといった業務があります。
上記で紹介したのは大まかな仕事内容であり、企業によっては一部DX化されていたり、一部業務を専門チームに任せるといったケースもあります。
またこれらをほとんど一人で行う企業もあれば、売り手側・買い手側に分かれて業務を分担する企業もあります。業務体系についてはこちらで解説していますので、参考にしてみてください。
M&A仲介によって身につくスキルは?
M&Aアドバイザーは上記のように、非常に多くの業務を担当する分、多くのスキルを身に着けることができます。
M&A仲介に携わることで身につくことが期待できるスキルは以下の通りです。
M&A仲介で身につくスキル
- 営業力・交渉力・提案力
- 会計・ファイナンス・法務に関する情報を扱うスキル
- プロジェクトマネジメントスキル
営業力・交渉力・提案力
M&A仲介に携わることで向上する、身につくスキルとして、営業力・交渉力・提案力があります。
M&A案件を獲得するための営業を行う場合、もちろん営業力はつくでしょう。それ以外でも、お客様である経営者の方とお話しする機会が多くあるため、商談力や信頼関係を構築する力も身につくでしょう。
また売り手企業と買い手企業の条件の調整、M&A方針・価格の提案を行うことで交渉力や提案力も身につくことが期待できます。
会計・ファイナンス・法務に関する情報を扱うスキル
M&A仲介では、売り手企業や買い手企業の財務状況の把握のために、決算資料やPL(損益計算書)・BS(貸借対照表)に目を通す機会が多くあります。また各種契約の締結を行うにあたり、法的な情報も取り扱う機会も多くあります。
このように、M&A仲介では会計・ファイナンス・法務に関する情報を多く扱うため、それらを扱うスキルを高めることができるでしょう。
プロジェクトマネジメントスキル
1つのM&A仲介をプロジェクトととらえると、マネジメントスキルも向上すると考えられます。
M&Aは企業側からの譲渡時期に関する希望などにより、多くの場合6か月〜1年で初回面談からクロージングまで完了します。そのため、限られた時間の中で複数あるタスクを計画的に管理し、効率よくタスクを進める能力が身につくでしょう。
また売り手企業と買い手企業から出る条件を上手く調整し、成約につなげる必要があるため、このような点でもマネジメントスキルの向上が期待できます。
M&A仲介からのキャリアパス
先ほど紹介したようなスキルが身につくM&A仲介を経験した方の多くは、どんなキャリアパスを歩むのでしょうか?ここでは、主なキャリアパスを6つ紹介します。
M&A仲介からのキャリアパス
- 事業会社のM&A担当
- コンサルティングファーム
- 投資銀行
- PEファンド
- 独立・起業
- 別のM&A仲介会社
事業会社のM&A担当
企業内のM&A担当者として働く選択肢があります。こちらはインハウスM&A担当者と呼ばれ、彼らは事業会社がM&Aにより事業拡大を目指す際などに、社内からのM&Aのターゲットになりそうな企業のリサーチやM&Aプロセスの進行を行います。
こちらは言うまでもなく、M&A仲介で培った経験を活かせるでしょう。また他社のM&Aをお手伝いするM&Aアドバイザーとは異なり、自社の成長に直結する仕事を担当できるため、アドバイザーとは違ったやりがいを感じることができるでしょう。
コンサルティングファーム
M&A仲介で培ったスキルは、コンサルティングの領域でも役に立てることができます。例えば、ファイナンスに関する情報を扱うスキルは、企業の事業計画を評価する際に役立ちます。
またコンサルティングファームの中には、M&Aを取り扱っているファームもあるため、そのようなファームでM&A担当者として働くことも一つの選択肢として持つことができます。
他にも、高い提案力に加え、企業の課題や市場の動向への知識量はコンサルティングの分野でも間違いなく活きるでしょう。
投資銀行
投資銀行は、企業の有価証券の売買や企業買収をサポートする役割を果たします。
そのため投資銀行にキャリアチェンジした際には、企業への財務アドバイス、M&Aアドバイザリーといった業務に携わることができるでしょう。
M&Aアドバイザリー業務には言うまでもなく経験が活きるでしょう。また財務アドバイザーとしては、財務関係の情報の読み取り・分析力が役立つでしょう。加えて、深い業界・市場への理解や交渉力・提案力はあらゆる企業や投資家への質の高いサポートの提供につながるでしょう。
PEファンド
PEファンドは一度非公開株式に投資し、企業価値を高めた後にその株式を売却することで利益を得ることを目的としたファンドです。
このPEファンドには、投資先の株式のソーシングや投資判断のためのデューデリジェンス、投資後の価値判断のような、M&A仲介と似た業務があります。
そのためPEファンドにおいてM&Aアドバイザー出身者は、M&A仲介の実務経験とそこで培ったコミュニケーションスキルやマネジメントスキルを遺憾なく発揮できるでしょう。
独立・起業
M&Aアドバイザーとしての経験を積んだのちに、独立・起業をされる方もいらっしゃいます。
M&Aアドバイザーは、あらゆる経営者の方と接する機会があります。そのため、人脈の形成や信頼構築スキルが高く、独立後も活躍していくことができるでしょう。
またプロジェクトマネジメントスキルや業界・企業の分析を高度なレベルでできるため、事業戦略の立案や業界ニーズへの理解力を活かした事業拡大が期待できます。
現在は独立してM&A事業を立ち上げるケースが多いですが、M&A事業以外の事業立ち上げもキャリアパスの選択肢の一つとして持っておくと良いでしょう。
別のM&A仲介会社
M&A仲介業界では、業務体系や案件の大小、社風などにおいて、その企業の色が強く出ます。そのため、働いているうちに、「もっと大きな案件を担当したい」、「もっと多くの案件に携わりたい」といった意欲が出てくることも少なくないでしょう。
このような際には、別のM&A仲介会社へ転職するという選択肢もあります。その際の企業の内部情報を得る手段の一つとして、転職エージェントの利用があります。M&A業界に精通したエージェントが、M&Aの企業の内部情報等まで教えてくれます。情報収集の目的で使われる方もいるため、ぜひ検討してみてください。
合わせて読みたい記事はこちら
M&Aからの転職におすすめの転職エージェント
- M&Aに加え、コンサル、FAS、ファンド領域も扱っている若手ハイクラス向けエージェント
- 業界トップクラスの内定率と内定実績
- 年収1,000万円以上の方が利用したいと思う転職エージェントNo.1
- M&Aは扱っていないが、FAS・ファンド、投資銀行、コンサル領域を扱っている転職エージェント
- 未経験者の転職実績多数
- ユーザーの満足度が高く、信頼度やサポートの充実度などの項目で高い評価を獲得
M&A業界の将来性は?
結論から言って、M&A業界の将来性は十分にあるといえます。
参照:帝国データバンク「東京都版後継者不在率動向調査2024」
帝国データバンクによると、2024年時点で全国5.3万社のうち後継者が「いない」または「未定」と答えた企業が2.7万社、51.1%と非常に多くなっています。後継者不在率は年々減少傾向にあるものの、まだまだ高いのが現状です。
そのため、今後もM&Aの需要は十分にあるといえるでしょう。また、各企業が近年採用を拡大するなど、M&Aアドバイザーの需要も高まっています。
以上から、M&A業界には十分に将来性があり、今後も盛り上がり続けることが期待できる業界です。
自分に合うキャリアパスを歩むには情報収集がカギ!
M&Aアドバイザーとして経験を積むことで、あらゆるスキルが身につき、将来の可能性が広がることを紹介しました。
このような数ある選択肢の中から自分に合うキャリアパスを選ぶ方法の一つとして、転職エージェント利用による情報収集があります。
M&A特化の転職エージェントサービスを展開しているエージェントの中には、同時にコンサルやファンドへの転職支援を行っているエージェントもいます。双方への理解があるエージェントから情報収集をすることで、より自分に合った選択肢を見つけるきっかけになる可能性があります。
キャリアパスに迷っている方は、一つの選択肢として検討してみてください。
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