
不動産業界は本当にきつい?職種別の業務内容や後悔しない企業の選び方
不動産業界、特に不動産営業は「ノルマが厳しく、残業が多い」と言われることが多いですが、実際のところはどうなのでしょうか?
未経験の方にとっては、どんな仕事なのか、本当に長く続けられるのか、不安に感じるかもしれません。 また、すでに不動産業界で働いている方も、今の職場の環境やキャリアアップの選択肢について疑問を持つことがあるでしょう。
この記事では、不動産業界の具体的な業務内容や「きつい」と言われる理由、そして転職を成功させるポイントを詳しく解説します。
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目次
不動産業界の仕事内容とは?職種別に解説
不動産業界と聞くと営業のイメージをもたれる方が多いと思いますが、大きく分けて営業職、事務職、管理職、企画・管理職の4つの職種があります。職種によって業務内容や働き方が大きく異なるため、まずは業務内容を紹介します。
きついと言われる理由について先に知りたい方はこちらからご覧ください。
営業職

不動産営業の仕事は大きく「賃貸仲介営業」、「売買仲介営業」、「不動産販売営業」、「投資用不動産営業」に分けられます。それぞれの仕事の具体的な内容と特徴について解説します。
賃貸仲介営業
賃貸仲介営業では、主に賃貸物件を求める入居者に対してその候補となる物件を紹介し、契約に至るまでをサポートします。
具体的には、顧客のニーズをヒアリングし、適した物件を提案し、内見の手配や契約手続きを行います。この仕事は比較的短期間で契約を締結しやすく、顧客のニーズに合わせた提案が求められます。
賃貸仲介は他社も同じ物件を取り扱うため、競争が激しいですが、顧客からのフィードバックが直接業務のやりがいにつながります。また、賃貸業務は反響営業が多く、未経験者でも取り組みやすい点が特徴です。
稼ぎやすさについては、仲介手数料は契約金額に応じて支払われるため、成功報酬型の性質が強いですが、平均的には安定性があります。
売買仲介営業
売買仲介営業は、住宅や土地を売りたい人と買いたい人をつなぐ仕事です。
具体的には、顧客から依頼を受けて物件を査定し、情報を提供しながら売買を仲介します。この営業スタイルは、賃貸仲介に比べて営業活動の幅が広く、価格交渉や契約書の作成、重要事項の説明など、法的な知識も必要になります。
売買仲介の特徴は高額な取引が多く、契約までのプロセスが長くなることがあるため、営業力や知識が求められます。
収入面では、成果に応じて高い報酬が得られるため、成績次第で高年収を目指すことも可能です。一方で、契約が取れなければ収入が不安定になりやすいというリスクもあります。
不動産販売営業
不動産販売営業は、自社の住宅やマンションなどの不動産を個人または法人に販売する職業です。
具体的には、顧客のニーズをヒアリングし、要望に合った物件を提案することから始まります。不動産販売営業は通常、テレアポや訪問営業を通じて潜在顧客を見つけアポイントを設定し、その後の商談を通じて成約に結びつけることが求められます。
また、物件の説明や見学案内も重要な業務の一部です。そして、成績に応じたインセンティブが支給されるため、成果に応じて高い報酬を得ることができます。
高額な商品を扱うため、顧客の心理や購買意欲を理解し、信頼関係を築く能力が必要とされます。
投資用不動産営業
投資用不動産営業は、投資家向けに物件の購入を提案する職種です。
この職種は、単に物件を販売するのではなく、投資の観点から販売するため、投資回収率や将来的な資産形成に関する知識が求められます。営業は、提供できる投資物件を掘り起こし、リノベーションや付加価値を加えた後に売却することが一般的です。
この業務は、潜在顧客に投資のメリットやリスクをしっかりと説明し、長期的な信頼関係を築くことが重要です。
投資用不動産販売の収益は高いものの、成功を収めるためには専門性が重要で、マーケットの動向をしっかり把握する必要があります。したがって、業務には時間がかかることが多いですが、高い報酬を得やすい傾向があります。
土地仕入れ営業
土地仕入れ営業は、不動産プロジェクトのために必要な土地を購入することに特化した職種です。
この職種では、地主や不動産会社との交渉、価格交渉、契約締結など、さまざまな取引が絡むため、高いコミュニケーション能力と情報分析能力が求められます。土地の仕入れは、非常に重要で、成功する営業は自社の利益のために定量的な判断を基に土地の価値を見極める必要があります。
また、こちらも高収益が見込まれることが多いですが、仕入れられる土地が限られているため、競争が激しく成果を上げるためには多くの時間と努力が必要です。
事務職

不動産業界の事務職は「営業事務」と「宅建事務」の二つがあります。事務職は営業職と異なり、ノルマがないため、他の職種と比べてホワイトな傾向があると言えます。
具体的な業務内容に関して、それぞれ以下に説明します。
営業事務
営業事務は不動産会社の営業スタッフをサポートする役割を担います。
具体的には、顧客とのコミュニケーションを取りながら資料作成や物件情報の更新、契約書の作成などを行います。また、営業活動を円滑に進めるためのデータ管理や、見積もり、請求書の作成も求められます。
他には顧客からの資料請求やモデルハウスへの来訪者管理、広告作成、SNS運用なども含まれます。これにより、顧客のニーズに即した対応ができ、業務の効率を向上させることが求められます。
宅建事務
宅建事務においては、契約書の作成の他に、物件案内や契約内容に関する顧客からの問い合わせ対応など、より多岐にわたる業務を担当します。
特に、法的知識や税金、保険に関する知識も必要で、毎日の業務を通じてこれらを学び続けることが重要です。
さらに、仕事の特性上、顧客や取引先とのコミュニケーションが必要な場面が多く、対人スキルも大いに求められます。
不動産管理職

不動産管理職における業務内容は多岐にわたりますが、主に賃貸物件の管理とオーナーへのサービス提供を中心に構成されています。
この業務は、物件オーナーの代理として、さまざまな管理業務を行います。まず、賃貸物件の管理についてですが、これは入居者の募集や賃貸契約の締結、賃料の回収を含みます。
これに加えて、物件の維持管理、設備の更新、トラブル対応なども重要な業務です。これにより、オーナーが快適に物件を運営できるよう支援します。
さらに、管理職は建物の定期点検や清掃作業、設備のメンテナンスなども手配し、入居者が安心して住める環境を提供します。
企画・開発職

不動産業界における企画・開発業務は、特にデベロッパー(開発業者)と呼ばれる企業によって行われます。
主な業務内容には用地の取得、開発計画の策定、建物の設計・施工管理、さらには完成後の販売や管理が含まれます
働き方としては、数ヶ月から数年単位でプロジェクトが進行するため、長期的な視点で働くことが求められます。また、周囲とのコミュニケーション能力や調整力も重要なスキルです。
稼ぎやすさの面では、デベロッパーの業界は高年収が期待できる領域です。大手企業においては、30代で年収が1,000万円を超えることも珍しくなく、特に実績を残した場合や管理職に昇進することでさらなる収入増加が見込まれます。
参照:不動産業界とはどんな仕事?現状や将来についても幅広く解説
参照:不動産業界の仕事とは?仕事内容や志望動機まで解説
不動産業界が「きつい」と言われる4つの理由

不動産業界が「きつい」と言われる理由
- 厳しいノルマと成果主義
- 長時間労働と休みの不規則さ
- 飛び込み営業や新規開拓の精神的ストレス
- クレーム対応の負担
1. 厳しいノルマと成果主義
不動産業界、特に不動産営業は契約件数や売上目標を達成しないと収入が安定しない場合があります。 特に売買仲介や投資用不動産営業では、成果主義が強く、安定した成績を出し続ける必要があります。
一方で、ノルマの厳しさは企業ごとに異なります。 固定給とインセンティブのバランスが良い企業を選べば、成績の影響がそこまで受けづらく、安定した収入を得ることも可能です。
2. 長時間労働と休みの不規則さ
不動産業界は長時間労働が多い業界ではあります。OpenWorkのデータによると「不動産・建設業界」の月間平均残業時間は30.5時間と「コンサルティング業界」「広告・マスコミ業界」に次いで3番目に多い結果になっています。
また、顧客の都合に合わせて対応するため、土日祝日が忙しくなりやすい業界です。特に売買仲介や新築販売では、週末に契約が集中し、契約業務や顧客対応のために残業が発生しやすい傾向にあります。
ただし、企業によっては「完全週休二日制」や「フレックスタイム制」を導入しているところもあります。そのため、自分のライフステージに合った環境を選ぶことが重要です。
引用:働きがい研究所「日本の残業時間 定点観測(2023年7月~9月)」
3. 飛び込み営業や新規開拓の精神的ストレス
不動産業界の営業職、特に新築販売や投資用不動産営業では、今でも「飛び込み営業」や「テレアポ(電話営業)」を求められる企業があります。
例えば、住宅地を一軒ずつ訪問して営業する、企業の名簿に片っ端から電話をかける、といった手法です。こうした営業は、アポイントなしで訪問・電話をするため、相手に迷惑がられたり、冷たく対応されることも少なくありません。
ただし、近年はこうした旧来型の営業スタイルを見直し、WEB広告やSNS経由で反響のあった顧客だけに対応する「反響営業」を主軸にしている会社も増えています。
顧客側にすでに購入意欲があるため、営業のしやすさも格段に違い、ストレスが大きく軽減されます。
4. クレーム対応の負担
不動産取引は高額で、かつ人生における大きな決断に関わるため、顧客の期待値は非常に高くなります。その分、ちょっとした認識違いや手続きの遅れが、大きなトラブルやクレームに発展することがあります。
「話が違う」「聞いていなかった」「こんなはずじゃなかった」 といったクレームに対し、誠意をもって対応しなければなりません。中には感情的に怒りをぶつけられるケースもあり、精神的に消耗する原因になります。
しかし体制が整っている企業ではクレーム対応を営業担当に全てを任せるのではなく、管理部門・上司・法務担当などと連携して対処する仕組みがあるため、精神的な負担を分散できます。
このように、「きつい」とされる背景には企業の体制や教育環境の差があるのが実情です。
だからこそ、事前に「どんな会社か」を見極めることが非常に重要になります。
不動産業界にも働きやすい環境はある?
「不動産業界はやめとけ」と言われる背景には、ノルマや長時間労働、精神的なプレッシャーなどがあるのは事実です。しかし、すべての会社がそうとは限りません。実際には、働き方改革が進み、社員の働きやすさを重視する企業も増えています。
たとえば、
- 固定給+歩合で安定した収入を確保できる給与体系
- 完全週休二日制やフレックスタイム制の導入
- テレアポや飛び込みを行わない反響営業中心のスタイル
- ノルマに追われることなく、顧客対応に集中できる職場
など、労働環境や制度を整備している会社も存在します。
ただし、こうした「働きやすい会社」を自分で探すのは難しいこともあります。また、求人票や企業サイトだけでは分からない職場の雰囲気や実態を見極めるには限界があるため、ミスマッチが起こることも少なくありません。
そこで活用したいのが、不動産業界に強い転職エージェントです。
エージェントは、企業の内情を熟知しており、希望条件に合った職場を紹介してくれるだけでなく、「ブラック企業を避ける」という観点でも非常に心強い存在です。
ネガティブなイメージが先行しやすい不動産業界ですが、実際には、しっかりと自分に合った職場を選べば、やりがいも働きやすさも両立できます。環境を変えるだけで、「不動産=きつい」のイメージがガラッと変わるかもしれません。
【まずはここをチェック!】不動産業界特化型のおすすめ転職エージェント3選
転職で失敗しないための「エージェント活用法」
「不動産業界はきついからやめとけ」と言われる理由を見て、不安に感じた方もいるかもしれません。
しかし、それはあくまで一部のケースであり、実際には働きやすい企業やホワイトな環境も多く存在します。
その差を見極めるために役立つのが、転職エージェントの活用です。エージェントを使うメリットは以下のようになります。
エージェントを使うメリット
- 転職サイトではわからない「リアルな職場環境」の情報が得られる
- ブラック企業を避けられる
- キャリアの希望に合った企業を厳選して紹介してくれる
- 応募書類や面接対策もフルサポート
不動産業界は職種が多岐にわたるため、自分に合った職場を見つけるには、業界知識のあるエージェントに相談するのが近道です。
まずは転職エージェントに相談し、自分に合った職場を見つけてみてください。
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