
不動産営業がきつい理由5選と対処法!給料・ノルマのリアルを解説
不動産業界、特に不動産営業は「ノルマが厳しく、残業が多い」と言われることが多いです。未経験の方にとっては、どんな仕事なのか、本当に長く続けられるのか、不安に感じるかもしれません。
すでに不動産業界で働いている方も、今の職場の環境やキャリアアップの選択肢について疑問を持つことがあるでしょう。
この記事では、不動産業界の具体的な業務内容や「きつい」と言われる理由、そして転職を成功させるポイントを詳しく解説します。
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目次
不動産営業は本当にきついのか|離職率から分析
不動産営業が本当に「きつい」のか、離職率から分析しました。
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、2023年の不動産業・物品賃貸業における一般労働者の離職率は13.3%でした。これは全産業平均の12.1%を上回っており、やや高めの水準にあるといえます。
・金融業・保険業:7.5%
・宿泊業・飲食サービス業:19.8%
・生活関連サービス業・娯楽業:19.2%
・卸売業・小売業:13.7%
・建設業:9.5%
この比較から、不動産業界の離職率はサービス業の中では中位からやや高めであり、営業職の中でも不動産業界は精神的・物理的負担が多いことを示しています。
不動産営業が「きつい」と言われる5つの理由

①厳しいノルマと成果主義
不動産業界、特に不動産営業は契約件数や売上目標を達成しないと収入が安定しない場合があります。 特に売買仲介や投資用不動産営業では、成果主義が強く、安定した成績を出し続ける必要があります。
一方で、ノルマの厳しさは企業ごとに異なります。 固定給とインセンティブのバランスが良い企業を選べば、成績の影響がそこまで受けづらく、安定した収入を得ることも可能です。
②長時間労働と休みの不規則さ
不動産業界は長時間労働が多い業界ではあります。OpenWorkのデータによると「不動産・建設業界」の月間平均残業時間は30.5時間と「コンサルティング業界」「広告・マスコミ業界」に次いで3番目に多い結果になっています。
また、顧客の都合に合わせて対応するため、土日祝日が忙しくなりやすい業界です。特に売買仲介や新築販売では、週末に契約が集中し、契約業務や顧客対応のために残業が発生しやすい傾向にあります。
ただし、企業によっては「完全週休二日制」や「フレックスタイム制」を導入しているところもあります。そのため、自分のライフステージに合った環境を選ぶことが重要です。
引用:働きがい研究所「日本の残業時間 定点観測(2023年7月~9月)」
③飛び込み営業の精神的ストレス
不動産業界の営業職、特に新築販売や投資用不動産営業では、今でも「飛び込み営業」や「テレアポ(電話営業)」を求められる企業があります。
例えば、住宅地を一軒ずつ訪問して営業する、企業の名簿に片っ端から電話をかける、といった手法です。こうした営業は、アポイントなしで訪問・電話をするため、相手に迷惑がられたり、冷たく対応されることも少なくありません。
ただし、近年はこうした旧来型の営業スタイルを見直し、WEB広告やSNS経由で反響のあった顧客だけに対応する「反響営業」を主軸にしている会社も増えています。
顧客側にすでに購入意欲があるため、営業のしやすさも格段に違い、ストレスが大きく軽減されます。
④クレーム対応の負担
不動産取引は高額で、かつ人生における大きな決断に関わるため、顧客の期待値は非常に高くなります。その分、ちょっとした認識違いや手続きの遅れが、大きなトラブルやクレームに発展することがあります。
「話が違う」「聞いていなかった」「こんなはずじゃなかった」 といったクレームに対し、誠意をもって対応しなければなりません。中には感情的に怒りをぶつけられるケースもあり、精神的に消耗する原因になります。
しかし体制が整っている企業ではクレーム対応を営業担当に全てを任せるのではなく、管理部門・上司・法務担当などと連携して対処する仕組みがあるため、精神的な負担を分散できます。
このように、「きつい」とされる背景には企業の体制や教育環境の差があるのが実情です。だからこそ、事前に「どんな会社か」を見極めることが非常に重要になります。
⑤成功パターンが掴みにくい
不動産営業がきついと感じる大きな理由の一つに、「成功パターンが掴みにくい」という点があります。特に新入社員や未経験者にとって、何をすれば成果が出るのかが見えにくく、手応えを得るまでに時間がかかるのが特徴です。
不動産営業は、「この通りにやれば必ず売れる」という明確なセオリーが存在しません。トップ営業マンの話を聞いても、同じ方法を真似しても成果が出ないことが多く、自信を失いやすいのです。
また、成約までのプロセスが長く、反応が薄い見込み客とのやり取りも多いため、「自分のやり方が合っているのか」「本当に売れるようになるのか」という不安に駆られる場面が少なくありません。このように、成功の再現性が低いことが、不動産営業の仕事をよりきつく感じさせる要因の一つとなっています。
不動産営業の主な職種と仕事内容をわかりやすく解説
不動産営業といっても、さまざまな職種があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
売買仲介営業
売買仲介営業は、土地や住宅、マンションなどの「売りたい人」と「買いたい人」を結びつける仕事です。
不動産会社を介して、物件の査定や広告掲載、購入希望者との交渉、契約手続きまでを担当します。お客様との信頼関係構築が非常に重要で、高い営業力とコミュニケーション能力が求められます。
賃貸仲介営業
賃貸仲介営業は、アパートやマンションなどの「貸したいオーナー」と「借りたい入居者」をつなぐ仕事です。
主に店舗での接客対応、物件案内、契約書の作成などを行います。繁忙期には来店対応が非常に多く、スピーディーな対応力が求められます。
不動産管理営業(PM業務)
不動産管理営業(PM)は、オーナーから管理を任された物件の維持管理や、入居者対応、家賃の集金・督促、リフォーム提案などを行います。
安定した収益を確保するために、入居率の改善やコスト管理も重要な業務の一環です。
デベロッパー営業
デベロッパー営業は、新しい土地にマンションや商業施設などを企画・開発し、それを販売・賃貸する業務です。
マーケット調査から土地の仕入れ、企画設計、販売まで幅広く関わるため、プロジェクトマネジメント能力が必要です。大規模な案件に携わることが多く、責任とやりがいが大きい仕事です。
投資用不動産営業
投資用不動産営業は、資産運用を目的とした顧客に向けて、不動産投資物件の提案や販売を行う職種です。
利回りや税制、将来の資産価値など、専門的な知識が求められます。富裕層を顧客とするケースも多く、高単価な取引になることが多いのが特徴です。
「きつい」不動産営業に向いている人の特徴
不動産営業は「きつい」と言われていますが、もちろん向いている人もいます。
人と関わるのが好きな人
不動産営業では、顧客との信頼関係を築くことが非常に重要です。高額な商品を扱うため、顧客は不安や疑問を抱えることが多く、これらを解消するためには優れたコミュニケーション能力が求められます。
相手の話をじっくり聞き、的確な回答を提供しながら共感を示す能力が必要です。また、さまざまな年齢層や背景を持つお客様と接するため、柔軟な対応力も重要です。
人と話すことが好きで、相手に寄り添いながら提案を行うことに喜びを感じられる人は、不動産営業に向いています。
目標達成意欲とプレッシャーへの耐性
不動産営業は成果主義を採用している企業が多く、売上目標やノルマが設定されていることが一般的です。これをプレッシャーと感じるのではなく、自分を成長させる機会と捉え、積極的に目標達成を目指せる人が向いています。
また、成果が出ない期間が続いたり、顧客からのクレームを受けたりすることもありますが、これらのストレスに耐え、前向きに努力を続ける精神的な強さが求められます。
情報収集能力の高さ
不動産業界では、市場の動向や物件情報、法改正などが頻繁に変化します。そのため、常に新しい知識を学ぶ勉強意欲があり、最新の情報を敏感にキャッチし即座に活用できる姿勢が求められます。
顧客への説明にも正確で最新の情報が必要となるため、学び続ける意欲が強い人は不動産営業に向いているといえます。
不動産営業はきついけど稼げる?
不動産営業の仕事には「きつい」「大変」といったイメージがつきものですが、それと同時に「稼げる仕事」としても知られています。では実際に、不動産営業はどれくらい稼げるのでしょうか?
また、その稼ぎは業務の大変さに見合っているのでしょうか。ここではその実態を詳しく解説します。
成果報酬型で年収1000万円超えも可能
不動産営業はインセンティブ(歩合給)制度を導入している企業が多く、自分の成果が収入に直結します。
月に数件の契約を獲得することで、基本給に加えて数十万円〜百万円単位の歩合が支給されるケースもあります。
特に高額物件や投資用不動産を扱う営業では、1件の成約で数十万円以上の報酬が入ることもあり、年収1000万円を超える営業マンも少なくありません。
収入の波が大きく、安定性に欠ける面も
高収入を目指せる一方で、契約が取れなければ歩合が入らず、収入が不安定になりやすいのも事実です。特に未経験者や新人のうちは、契約が思うように取れず、生活が苦しくなることもあります。
また、営業ノルマや数字へのプレッシャーが大きく、人によっては精神的にきついと感じることも少なくありません。
努力次第でキャリアアップや独立も視野に
不動産営業は実力主義の世界であるため、結果を出せば早期に昇進したり、マネジメント職に就いたりするチャンスもあります。
中には、数年の営業経験を積んで独立し、自ら不動産会社を立ち上げて成功するケースもあります。
きつい仕事であることは間違いありませんが、努力が報われる環境が整っています。不動産営業は非常にやりがいのある職種ともいえます。
「きつくない」不動産営業はあるのか。
「不動産業界はやめとけ」と言われる背景には、ノルマや長時間労働、精神的なプレッシャーなどがあるのは事実です。しかし、すべての会社がそうとは限りません。実際には、働き方改革が進み、社員の働きやすさを重視する企業も増えています。
たとえば、
・完全週休二日制やフレックスタイム制の導入
・テレアポや飛び込みを行わない反響営業中心のスタイル
・ノルマに追われることなく、顧客対応に集中できる職場
など、労働環境や制度を整備している会社も存在します。
ただし、こうした「働きやすい会社」を自分で探すのは難しいこともあります。また、求人票や企業サイトだけでは分からない職場の雰囲気や実態を見極めるには限界があるため、ミスマッチが起こることも少なくありません。
そこで活用したいのが、不動産業界に強い転職エージェントです。
エージェントは、企業の内情を熟知しており、希望条件に合った職場を紹介してくれるだけでなく、「ブラック企業を避ける」という観点でも非常に心強い存在です。
ネガティブなイメージが先行しやすい不動産業界ですが、実際には、しっかりと自分に合った職場を選べば、やりがいも働きやすさも両立できます。環境を変えるだけで、「不動産=きつい」のイメージがガラッと変わるかもしれません。
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「きつい」不動産営業への対処法
不動産営業は、ノルマのプレッシャーや顧客対応の難しさなどから「きつい」と感じることが多い職種です。しかし、適切な対処法を実践することで、ストレスを軽減し、前向きに業務に取り組むことが可能です。
ここでは、「きつい」不動産営業への効果的な対処法を3つの要素に分けて解説します。
ノルマとの向き合い方を見直す
営業ノルマは、不動産営業における大きなプレッシャーの一因です。しかし、ノルマを自分自身の成長目標と捉え、達成可能な小さな目標に分解することで、達成感を得やすくなります。
また、成果を上げるためには、効率的な不動産営業手法を身につけることが重要です。例えば、顧客のニーズを的確に把握し、最適な提案を行うことで、成約率を高めることができます。
メンタルヘルスの維持とストレス管理
不動産営業は、精神的な負担が大きい職種です。そのため、メンタルヘルスの維持が不可欠です。
定期的に休息を取り、趣味やリラクゼーションを取り入れることで、心身のリフレッシュを図りましょう。
また、アンガーマネジメントや瞑想などのストレス管理法を学び、実践することで、感情のコントロールがしやすくなります。
職場環境の改善とキャリアの見直し
職場環境がストレスの原因となっている場合は、上司や同僚とのコミュニケーションを改善し、業務の効率化を図ることが効果的です。
また、どうしても改善が見込めない場合は、異動や転職を検討することも選択肢の一つです。自分に合った職場環境で働くことで、ストレスを軽減し、より良いパフォーマンスを発揮できるようになります。
不動産営業への転職を成功させる方法
「不動産業界はきついからやめとけ」と言われる理由を見て、不安に感じた方もいるかもしれません。
しかし、それはあくまで一部のケースであり、実際には働きやすい企業やホワイトな環境も多く存在します。
その差を見極めるために役立つのが、転職エージェントの活用です。エージェントを使うメリットは以下のようになります。
エージェントを使うメリット
- 転職サイトではわからない「リアルな職場環境」の情報が得られる
- ブラック企業を避けられる
- キャリアの希望に合った企業を厳選して紹介してくれる
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不動産業界は職種が多岐にわたるため、自分に合った職場を見つけるには、業界知識のあるエージェントに相談するのが近道です。
まずは転職エージェントに相談し、自分に合った職場を見つけてみてください。
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