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POSTED
2024年3月25日
UPDATE
2024年3月25日

土地家屋調査士と司法書士の違いは?資格や年収、働き方、業務内容の違いまで徹底解説

土地家屋調査士

土地家屋調査士司法書士の違いを知っていますか?
どちらも国家資格であり、不動産登記にかかわることができます。
しかし、仕事内容から年収、働き方、資格まで様々な違いがあります。
この記事ではこの二つの職種の違いをご紹介していきたいと思います。

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仕事内容の違い

土地家屋調査士司法書士
主な業務内容土地の測量や立ち合い、図面作成、不動産登記など登記にまつわる書類作成、簡易裁判業務など
独占業務「表示」の登記「権利」の登記
登記所在、地番、家屋番号、種類、構造、床面積など所有者、日時、取得原因(売買、相続など)、抵当権など

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、不動産登記のうち「表示」にかかわる登記を担当します。「表示」にかかわる登記は、土地や建物の所在、番地、地目、地積、床面を登記することを指します。物理的な状況を登記することができるのが土地家屋調査士です。

業務内容としては、依頼者との契約から資料調査、測量・調査、図面作成、境界立ち合い、確定測量、登記申請までを行います。

参考:土地家屋調査士とは?仕事内容や年収・残業・向いている人を解説!測量士との違いも               

司法書士

司法書士は、不動産登記のうち「権利」にかかわる登記を担当します。「権利」にかかわる登記は、所有者や権利の内容(誰がどんな内容の権利をもつのか)などを指します。権利関係を登記することができるのが司法書士です。

司法書士はこの不動産登記以外にも、企業法務登記、成年後見業務、相続・遺産に関する業務、裁判業務など幅広い業務をすることができます。

参考:司法書士の業務内容とは?専門分野の紹介とそれぞれの仕事内容を解説 – リーガルジョブマガジン

不動産登記とは、土地や建物についての情報(所在地・面積・所有者など)を帳簿に記録して一般公開することです。これにより土地や建物の取引を円滑にすることができます。
参考:法務省:不動産登記のABC

資格の違い

土地家屋調査士司法書士
試験日程記述:10月、口述:1月記述:7月、口述:10月
合格率(例年)8~9%3~4%
必要勉強時間の目安1,000時間3,000時間
内容民法・登記申請手続き・調査や測量に関する知識など不動産登記法・商業登記法・憲法・民法・商法・刑法などの知識

土地家屋調査士試験と司法書士試験はどちらも受験条件がなく、誰でも受験することができます。学歴・性別・年齢の制限がなく何度でも受験することができるのが魅力です。

土地家屋調査士

試験は筆記試験と口述試験の両方が必要で、例年筆記試験が10月、口述試験が1月に実施されます。
試験では、民法・登記申請手続き・調査や測量に関する知識などが出題され、合格率は例年8~9%前後となっています。

参考:土地家屋調査士とは?仕事内容や年収・残業・向いている人を解説!測量士との違いも

司法書士

同じく、試験は筆記試験と口述試験が必要で、例年筆記試験が7月、口述試験が10月に実施されます。
試験では、不動産登記法・商業登記法・憲法・民法・商法・刑法などの知識が出題され、合格率は例年3~4%となっています。

参考:司法書士試験の難易度|合格率は約3%?行政書士や税理士との比較も解説 – リーガルジョブマガジン

土地家屋調査士資格を取るための勉強時間がおよそ1,000時間、司法書士が3,000時間と言われていることを踏まえても司法書士の方が取得が難しいと言えます。

年収の違い

土地家屋調査士司法書士
初任給約330万円約350万円
平均年収約450万円約400万円
勤務での上限目安約600万円約700万円
独立可能可能

土地家屋調査士

土地家屋調査士の初任給は330万円、平均年収は450万円ほどと言われています。
能力を身に着けていくほど年収は上がっていき、600万円ほどまであがります。
独立をして成功することで1,000万円以上を目指すこともできます。

参考:【最新版】土地家屋調査士業界のリアルな年収を徹底調査│資格の有無や年代、出身学部で差はあるのか – リーガルジョブマガジン

司法書士

司法書士(独立除く)の初任給は350万円、平均年収は400万円ほどと言われています。
キャリアを積んでいくほど年収は上がっていき、勤務司法書士としては600~700万円ほどまで上がります。
独立をして成功をすることで1,000万円以上を目指すこともできます。

参考:司法書士の平均年収と転職時の提示年収を年齢別・エリア別で解説 – リーガルジョブマガジン

土地家屋調査士と司法書士の年収には大きな差異はなく、やや司法書士の方が高収入を狙いやすいことがわかります。また、どちらも能力やキャリアを積み上げていくことで年収を上げていくことができます

働き方の違い

土地家屋調査士司法書士
勤務場所事務所と現場事務所または在宅
業務タイプ事務作業と測量、立ち合い事務作業メイン
残業時間(月)30時間ほど30時間ほど
作業スタイル基本2人1組で作業1人が多い

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、内業(事務所での業務)と外業(事務所外での業務)の両方があることが特徴です。
図面作成などは1人で黙々と作業をしますが、境界立ち合いなどにおいては現場に出てコミュニケーションを取ることが求められます。

測量業務は場合によってはかなりアウトドアで体力の使う作業になります。例えば、測量の場所によっては池の中にはいったり、草むしりをしたりします。屋外なので夏は暑さ、冬は寒さもあります。

残業時間は、30~40時間ほどと言われています。繁忙期と閑散期には差があり、繁忙期には50時間、閑散期には10時間未満というケースもあるようです。
境界立ち合いなどの都合から、土日に出勤をして平日に代休という場合があります。

参考:【最新版】土地家屋調査士業界のリアルな年収を徹底調査│資格の有無や年代、出身学部で差はあるのか – リーガルジョブマガジン

司法書士

司法書士は、クライアントや裁判所、法務局に赴くことはありますが、基本的に事務仕事がメインになります。
残業時間は、月30時間ほどと言われています。繁忙期があり、多い月だと50時間を超えることもあるようです。
不動産登記の決済業務では遠方に出かけることがありますが、土地家屋調査士と比べると外業少ないと言えます

業務内容によってはリモートワークが可能で、時短やパート勤務、スポット勤務などの働き方が選択しやすいことが特徴です。育児や介護をする方にとっては働きやすくなっています。
基本的に土日祝日が休日になりやすいですが、土日に出勤になることも珍しくはありません。

参考:【司法書士】リモートワーク可能な理由や業務内容・在宅OKの求人 – リーガルジョブマガジン

どちらに向いている?

ここまで土地家屋調査士と司法書士の違いを見てきました。どちらも不動産登記において独占業務を持ちながらも様々な違いがあります。

自分がどちらに向いているかを考える際は、特に業務内容働き方に注目するのがよいでしょう。

土地家屋調査士は、図面作成などの事務作業に加え、現場での測量や立ち合いをします。また、測量には正確性が求められます。比較的独立がしやすいのも特徴です。

土地家屋調査士に向いている人

  • アウトドアが好きな方
  • タフな方
  • 職人気質な方
  • 理系の方(文系の方ももちろん大丈夫です)
  • 将来的に独立を考えている方

一方で、司法書士はPC作業やクライアント対応がメインになり、比較的外業は少ないです。また時短勤務が可能で、在宅勤務も一部可能です。ただし、知識面でのハードルは高くなります。

司法書士に向いている人

  • 事務作業をメインにしたい方
  • 体力仕事を避けたい方
  • 家庭との両立を優先したい方
  • 時短勤務を考えている方(もちろんフルタイムも可能です)

どちらも資格がなくても働き始められる

何事もやってみないとわからないという側面がありますが、どちらの資格も合格率は低く、多くの勉強時間が必要になります。せっかく資格を取得しても、「やってみたら違った」となっては大変です。

しかし、安心してください。どちらも資格がなくても「補助者」として司法書士事務所・土地家屋調査士事務所で働き始めることができます。

土地家屋調査士補助者

土地家屋調査士業務において、不動産登記をすることができるのは資格者だけです。
しかし、それ以外の測量や図面作成などの業務は資格がなくてもすることができます。そのため、土地家屋調査士求人のおよそ7割は資格が条件に入っていません

平均年収も資格者と比較してあまり見劣りしません。初任給は年収300万、職歴・スキルによっては400万円くらいになります。

参考:【土地家屋調査士補助者】資格なしでも稼げる理由|転職方法も解説 – リーガルジョブマガジン

司法書士補助者

司法書士補助者は司法書士の書類作成のサポートをします。そのため、司法書士補助者はある程度の知識がないと務まらないため、ハードルはやや高めになります。
また、登記申請や不動産決済などの独占業務は行うことができません。正社員の場合、初任給は年収300万円ほどになります。

参考:司法書士補助者とは?仕事内容や年収・忙しさを解説|未経験で就職する方法も – リーガルジョブマガジン

いずれも実務経験を積みながら資格勉強をすることができるのが最大の魅力です。
先輩資格者から情報を得ることができるほか、業界の知識や事務所選びのポイントなどもわかります。

資格を取り終わるまで就職しないのではなく、資格勉強と並行して補助者として働きはじめるのはいかがでしょうか?

転職エージェントに相談してみよう

ここまで土地家屋調査士と司法書士について詳しく見てきましたが、
「自分はどちらに向いているのか」
「先に資格勉強をするか、まずは働いてみるか」
「どんな求人があるのか」
など、まだまだわからないことが多いと思います。

そんな時は転職エージェントに相談してみましょう。

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もちろん、補助者」として働き始めることに興味のある方にもおすすめです。

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