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POSTED
2023年12月29日
UPDATE
2024年1月24日

ユーザー系SIerとは?企業ランキング一覧!5社を徹底比較

SIer

SIerは、大きく分けて「メーカー系」「ユーザー系」「独立系」「外資系」の4つに分類されます。
それぞれに違いや特徴があるので、転職活動を行う際は自分に合う企業を見つけることが成功の鍵になります。

本記事では「ユーザー系SIer」について紹介します。

ユーザー系SIerとは

ユーザー系SIerとは、IT業界以外の大手一般企業が親会社のSIerを指します。

親会社の情報システム部門が独立し、企業になる場合が多く、親会社との関わりが強い点が特徴です。
実際に企業名に親会社の名前の一部が入っていることも多々あります。ユーザー系SIerの親会社は商社や通信、金融などさまざまな業界であることが特徴です。

ユーザー系SIerの主な業務は、親会社やグループ会社から受注されるシステムの設計、開発、保守・運用などです。
ユーザー系SIerの企業の業務では主に顧客へのヒアリングや要件定義、設計など上流工程を担当することが多く、開発や保守・運用は下請け会社に委託することが多い傾向があります。

企業ランキング

ここでは「平均年収」「売上」「評判」別にランキング形式で企業を紹介します。

平均年収

はじめに、ユーザー系SIer企業の平均年収ランキングです。

順位企業名平均年収
1位野村総合研究所1,242万
2位電通国際情報サービス1,128万
3位伊藤忠テクノソリューションズ1,029万
4位日鉄ソリューションズ870万
5位NTTデータ867万
6位コベルシステム805万
7位JSOL805万
8位ニッセイ情報テクノロジー787万
9位NTTコムウェア786万
10位兼松エレクトロニクス785万
※CAREER VIEW調べ

 上位3社は、平均年収が1,000万越えの企業です。

SIerの平均年収は、550万円と言われています。(※)
ランキングに入っている企業は700万円超えの企業ですが、8~10位に大きな差はないため、ランク外の企業も人気企業である場合が多いです。

※厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を参照

売上

次に、売上のランキングを見ていきましょう。

順位企業名売上
1位NTTデータ3兆4,901億
2位ダイワボウ情報システムズ8,199億
3位野村総合研究所6,921億
4位伊藤忠テクノソリューションズ5,709億
5位SCSK4,459億
6位日鉄ソリューションズ2,916億
7位NTTコムウェア1,978億
8位トヨタシステムズ1,753億
9位京セラコミュニケーションシステム1,379億
10位電通国際情報サービス1,290億
※CAREER VIEW調べ

 ユーザー系SIer企業の売上では、NTTデータが3兆4,901億円で圧倒的に高い売上でした。

評判

最後に評判ランキングです。
残業、有給取得、やりがいなどを総合的に評価したランキングになります。

順位企業名評判
1位電通国際情報サービス4.49
2位野村総合研究所4.31
3位JSOL4.22
4位日鉄ソリューションズ4.08
5位NTTデータ4.00
6位NTTデータCOS3.89
7位伊藤忠テクノソリューションズ3.81
8位インフォコム3.68
9位SCSK3.50
10位トヨタシステムズ3.39

 ユーザー系SIerの企業は親会社が大手企業なこともあり、福利厚生や待遇面はかなり良いとされています。そのため、ランキングを見ても高評価の企業が多いです。

優良ユーザー系SIer企業5社

ここでは、優良ユーザー系SIer企業を5社紹介します。
以下の5社はユーザー系SIerの中でも人気の大手企業です。

野村総合研究所(NRI)

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企業名野村総合研究所
親会社野村ホールディングス(金融)
本部所在地東京都千代田区
社員数6,782人
売上6,921億
平均年収1,242万

野村総合研究所は、ITコンサルティングとシステムインテグレーション(SI)に強みを持つユーザー系SIer企業です。

野村総合研究所はさまざまな領域に強みを持っており、ユーザー系SIer企業のなかでもさまざまな業種に携わることができます。
そのなかでも特に金融領域に強みを持ち、2023年9月11日(米国時間)に公表された、金融ITサービス企業の世界ランキングである「IDC FinTech Rankings Enterprise 25」(※)に選ばれた実績があります。

IDC FinTech Rankings Enterprise 25

NTTデータ

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企業名NTTデータ
親会社日本電信電話(通信)
本部所在地東京都江東区
社員数12,351人
売上3兆4,901億
平均年収867万

NTTデータは、1988年に日本電信電話株式会社のデータ通信本部をベースに設立された企業です。
情報サービス事業では業界最大手に属する企業であり、あらゆるビジネスの根幹に関わっています。

NTTデータは金融、官公庁、医療などさまざまな領域に強みを持ち、33年連続で増収を続けている点も特徴です。
また、近年では国内だけでなくグローバル事業にも積極的に取り組んでおり、すでに世界で50ヶ国以上、200を超える都市でサービスを展開しています。

国内、海外の市場を獲得することで更なる成長が見込まれる企業です。

電通国際情報サービス(ISID)

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企業名電通国際情報サービス
親会社電通グループ(広告)
General Electric(製造)
本部所在地東京都港区
社員数3,888人
売上1,290億
平均年収1,128万

電通国際情報サービス(ISID)は単独の広告会社としては世界最大の電通と、世界最大の複合企業であるゼネラル・エレクトリック(GE)社の合弁会社として設立されたユーザー系SIer企業です。

ISIDの特徴は、コミュニケーションITセグメントという事業です。
この事業では、電通グループで培われたマーケティングノウハウとISIDが保有する最先端テクノロジーの実装力を組み合わせ、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいます。
コミュニケーションITセグメントは、ISIDの売上高の約29.6%を占める規模となっており、ISIDの事業の中では最大の規模となっています。

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)

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企業名伊藤忠テクノソリューションズ
親会社伊藤忠商事(商社)
本部所在地東京都港区
社員数4,718人
売上5,709億
平均年収1,029万

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、伊藤忠商事を親会社に持つユーザー系SIer企業です。

伊藤忠商事は商社の中でも情報産業分野に強みを持っており、CTCでも情報通信セグメントの売上が39.2%と全業種の中で1番の売上です。
情報通信業意外にも、金融業や運輸業、製造業など事業の幅も広く、グローバル事業にも力を入れており今後の成長が見込まれます。

CTCは幅広い業界の優良企業と取引してきた実績から、強固な顧客基盤を築いていることが強みです。

SCSK

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企業名SCSK
親会社住友商事(商社)
本部所在地東京都江東区
社員数15,328人
売上4,459億
平均年収747万

SCSKは住友商事グループのSIer企業で、住友商事の情報システム部門が独立して誕生しました。

SCSKは顧客業種に偏りを持たないことが特徴で、経営リスクを分散することで安定した収益基盤を築いています。実際に、10年連続で増益増収を続けており各セグメントも増収または横ばいと総合力のある企業です。

また、顧客の要望に合わせて、既存のものを使わずに1からシステムを構築しており、一般的なSI型のビジネスモデルからの方針転換にいち早く取り組んでいます。競合他社が多い業界で先を見据えていち早く行動できるSCSK は今後も注目企業です。

ユーザー系SIerの強み・弱み

ここでは、ユーザー系SIerの強みと弱みについて解説します。

ユーザー系の強み

経営が安定している

ユーザー系SIerの主な業務は、親会社やグループ会社から依頼されたシステムを開発することです。
親会社が大企業であることが多く、親会社やグループ会社から安定して案件を受けることができるため経営は安定しています。

上流工程のスキルが身につく

SIerの業務は企画、要件定義、設計、開発、保守・運用などシステム開発に関わるさまざまな業務を行います。
ユーザー系SIer企業では企画、要件定義、設計までの上流工程を行うことが多く、開発、保守・運用などの下流工程は下請け会社に委託することが多いです。

上流工程に携わることが多いため、課題を特定するためのヒアリング力や論理的思考力、長期的な計画を考え実行するマネジメントスキルが身につきます。

プロジェクトが大規模

先ほども述べましたが、ユーザー系SIerの親会社は大企業であることがほとんどです。
そんな親会社から受注されるシステムの開発は、大規模で社会に大きな影響を与えるプロジェクトが多く実際に「自分が開発したシステムを自分が使うことがある」という事があるそうです。その分トラブルが起こるとニュースなどで取り上げられ親会社にまで影響が出るため、強い責任感を持って業務に携わる必要があります。

ですが、自分が開発したシステムが使われていたり実際に自分が使うことはやりがいや達成感を得られるでしょう。

ユーザー系SIerの弱み

親会社の業績の影響を受けやすい

ユーザー系SIerの強みとして「親会社が大企業のため経営が安定している」と挙げましたが、反対に親会社の状況に左右されやすい傾向にあります。
親会社の経営が悪化した場合、安定して案件を受けることが難しくなり給与やボーナスなどに影響が出る可能性もあります。

親会社は日本を代表する企業が多いですが、変化の多い時代なので常に安定しているとは限りません。

業務が合わないと思ったときの方向転換が難しい

業務は親会社から依頼されたシステムを開発することが多く、親会社の業種に限定されてしまう場合があります。
そのため業種が合わないと感じた際に業務内容を変更することが難しく、一つの知識の専門性を深めたいという方は向いていますが、さまざまな業種について学びたいという方はユーザー系SIer企業で長期的に働くことは難しいかもしれません。

下流工程のスキルが身につきにくい

ユーザー系SIerの業務では開発や保守・運用を下請け企業に委託することが多いです。
そのため、開発の際に必要なプログラミングやテストなどを実際に体験することが少なく、プログラミングスキルが身につきにくいと言われています。

将来、プログラマーとしてのキャリアを考えている人や転職を繰り返しキャリアアップを続けたい人などはユーザー系SIer企業への転職はあまりおすすめとは言えません。
反対に、安定して長期的に働きたいという方にはおすすめです。

ユーザー系SIerに転職する際のポイント

ユーザー系SIerに転職する際のポイントは以下の通りです。

ユーザー系SIerに転職する際のポイント

  • 親会社についてリサーチする
  • キャリアプランを明確にする
  • 転職エージェントを利用する

ユーザー系SIer企業は、親会社から依頼を受ける為、親会社の業界に関する業務が中心になります。
「親会社がどんな業界であるのか」や「どんな業務を行っているのか」だけでなく「親会社との関係性」についてもリサーチしておきましょう。

また、転職後のキャリアプランを明確にすることも重要です。
例えば、プログラマーになりたい場合とPM(プロジェクトマネージャー)になりたい場合では必要なスキルが異なります。ユーザー系SIer企業は上流工程を担当することが多いですが、下流工程を行う企業もあるので、「自分がどんな人になりたいのか」を明確にして企業選びを行いましょう。

自分の力のみで企業をリサーチしたり、自分の強みや今後について考えるには限度があります。
そんなときこそ、転職エージェントの利用がお勧めです。

実際にエージェントに相談することで「自分では気づかなかった強みに気づくことができた。」という場合があります。エージェントに相談することで自分の強みに気づけるだけでなく、自分の条件やキャリアプランに合う企業を紹介してくれます。
また、書類添削や面接の日程調整、条件交渉などあなたの転職活動を徹底的にサポートするので、在職中でも安心です。

ほとんどの転職エージェントは無料で利用することができるので、一度利用してみることをお勧めします。

ユーザー系SIerに転職してみよう

今回は、ユーザー系SIerに関するあらゆる情報を紹介しました。

ユーザー系SIerは経営が安定している企業が多く、親会社が大企業であることから大規模なプロジェクトに携わることができます。
また、ユーザー系SIerは福利厚生や平均年収も高く、他のSIerに比べて働きやすく、私生活とのバランスが保ちやすい企業が多いことが特徴です。

特にランキング内の企業や今回紹介した5社は特に人気の高い企業であり、転職活動を行う際には自分のキャリアや強み、親会社との関係や競合他社との違いを理解する必要があります。

しかし、情報収集や自己分析、企業への応募など自分の力で全て行うには限度があります。
転職活動を行う際は、豊富なサポートを受けることができる転職エージェントの利用がおすすめです。

今回の記事を見てユーザー系SIerへの転職に興味を持った方は是非こちらの記事も読んでみてください。

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