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POSTED
2023年12月29日
UPDATE
2024年3月5日

SEからITコンサルタントに転職!業務の違いやメリット、後悔しないためのコツまで解説

コンサル

SEとITコンサルタントは、業務領域に重なりもありとても似た職種です。

しかし、この2職種の違いを正しく理解している人が少ないのも事実。
実は、SEとITコンサルタントは業務内容や職場環境、必要なスキルなどに違いがあるのです。
これらの違いについて正しく理解していないと、転職後にギャップを感じて後悔することになります。

この記事では、

  • SEとITコンサルタントの業務内容の違い
  • 未経験者のコンサル業界への転職動向
  • SEからITコンサルタントに転職するメリット・年収の違い
  • 転職後に後悔する2大要因
  • 転職を成功させるためのコツ

について解説します。

この記事を読めば、SEとITコンサルタントの違いから転職のポイントまでを押さえることができます!

SEとITコンサルの違いとは

SEとITコンサルタントは、どちらもシステム開発プロジェクトに関わる職種であり、しばしば混同して考えられがちです。しかし、その役割や業務内容には違いがあります。

ITコンサルタントの役割は、「クライアントの経営課題をIT・システムをソリューションとして解決する」ことです。クライアントの現状分析からIT活用の要件定義を行い、プロジェクト全体の戦略を立てるのが主な業務内容になります。

一方SEの役割は、「要求されるシステムの開発・改修を行う」ことです。システム構築のプロとして、ITコンサルタントが要件定義したシステムを決められた予算と納期の中で開発し、その後の保守運用まで実行します。

プロジェクト全体の中で見ると、携わるフェーズが違うことが分かります。
上流工程の戦略策定〜要件定義にはITコンサルタントが、下流工程の設計・構築〜保守運用にはSEが携わります。ITコンサルタントは下流工程において、「PMO」の役割を担います。

※PMO(Project Manegiment Office)とは、組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システムのことで、マネジメント方式の標準化やリソース・コストの調整管理の役割を担います。

これを見ると、ITコンサルタントとSEの業務内容及び業務の役割が違うことが分かると思います。

未経験からのコンサル転職難易度は?

ここでは、未経験からコンサル転職する場合の転職難易度について解説していきます。

実は、コンサルティングファームは多くが未経験者の採用に積極的です。中途でコンサル転職する人のほとんどがコンサル未経験者であり、近年ますます採用が拡大しています。

未経験者の採用が拡大している背景には、社会環境の変化に伴うコンサル市場の成長があります。

市場規模が拡大しており、他業界からの人材確保に積極的

コンサルティング業界の市場規模は、順調に拡大を続けています。

市場規模拡大の要因として、以下の3つが考えられます。

  • DXトレンドの強まり
  • コロナ化に伴う企業経営の在り方の見直し
  • IT技術の発展

企業がマクロ環境の変化に対応を迫られているのにあたり、自社のみでは難しく外部の力に頼る必要が出てきています。そのため、コンサルティング市場が拡大を続けていると考えられます。

それに伴い、コンサル案件も多様化しています。複雑に変化する社会情勢にいち早く対応してコンサルティングサービスを提供するためには、事業会社での現場経験を持つ人材の知見が必要です。

そのため、コンサルティングファームは他業界からの未経験人材の確保に積極的なのです。

未経験者の転職動向や転職難易度については、以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも合わせて読んでみてください。

合わせて読みたい記事はこちら

IT人材確保の需要が高まっている

直前でコンサル業界の市場規模が拡大していると解説しましたが、なかでもIT・デジタル領域の成長は際立っています。

IT技術の発展や市場のデジタル化に新型コロナウイルスが追い風となり、企業経営のDX推進が一気に加速しています。それに伴い、コンサルティングファームにもIT・デジタル領域の案件が急増しています。

案件が増えているなかで、コンサルタントの数がますます必要になってきています。

特にIT・デジタル領域では業務システムの導入・活用支援などを行うため、ITやシステムに関する専門的な知識が必要です。そのため、IT領域での経験を持つ「IT人材」の採用ニーズはとても高いです。

以上のことから、未経験者の積極採用が続くコンサル業界の転職市場において、SEは比較的転職に有利な立場であるといえるでしょう。

SEからITコンサルタントに転職するメリット

SEからITコンサルタントへの転職には、大きく4つのメリットがあります。

現場経験が実効性の高い提案力につながる

SEとしての現場経験は、ITコンサルタントでも大いに活かすことができます。開発現場の実態や開発の流れを知っていると、システム導入プロジェクトの中で起きうる課題の発見に役立ちます。

机上の空論に終わらない実効性の高い提案を出せる力は、ITコンサルタントとして重宝されます。

よりビジネスサイドに近いところで仕事ができる

ITコンサルタントはクライアントの現状分析や課題の洗い出しなど、SEにはないビジネス視点からの業務があります。

「プロジェクトのより上流工程からクライアントに携わりたい」「IT業界の中でもよりビジネスサイドに近いところで仕事がしたい」という方は、ITコンサルタントがおすすめです。

ソリューションに縛られずフラットな視点から課題解決に取り組める

業務内容の違いのパートでも触れましたが、ITコンサルタントはプロジェクト上流工程の戦略策定〜要件定義のフェーズに携わります。
そのため、クライアントの課題解決を目指すにあたって「どのようなIT・システム導入が必要か」「そもそもITを活用すべきかどうか」というように決まったソリューションに縛られることなくフラットな視点で考えられます

SEは基本的に元請け会社からの指示に基づいてシステム開発を行う場合が多いため、ITコンサルならではの特徴と言えるでしょう。

キャリアの選択肢が増える

ITコンサルタントとしてコンサルタント経験を積むことで、戦略系や総合系など他領域のコンサルタントを目指すことも可能になります。

従来の経験を活かしてIT業界でキャリアアップを目指すことも、ITコンサルを足掛けにコンサル業界へシフトすることもでき、キャリアパスが広がるでしょう。

SEとITコンサルタントの年収は100万円も違う!?

SEとITコンサルタントの年収に違いはあるのでしょうか。
一般的に、ITコンサルタントの方が高年収であるといえます。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

ITコンサルタントの年収

厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」によると、ITコンサルタントの全国平均年収は660.4万円です。(※1)

ファームやポジションによって違いはありますが、総じて一般的な職業と比べて高収入であるといえます。

SEの年収

こちらも厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」によると、SEの平均年収は設計対象となるシステムの違いによってレンジが変わります。(※2)

基盤システムのSEの全国平均年収は660.4万円です。一方で業務システム・WebサイトのSEの全国平均年収は550.2万円です。

IT業界の中では高い部類に入りますが、プロジェクトの上流を担うITコンサルタントと比べると最大で約100万円ほど変わる可能性があることが、データから読み取れます。

(※1)ITコンサルタント – 職業詳細|job tag(参照:2023.12.14)
(※2)システムエンジニア(基盤システム) – 職業詳細|job tagシステムエンジニア(業務システム) – 職業詳細|job tag(参照:2023.12.14)

働き方に違いがある!転職後に後悔する2大要因

SEからITコンサルタントに転職した後に「後悔した」という声がしばしば見受けられます。

転職して後悔する大きな原因は、「SEとITコンサルタントの働き方や必要なスキルの違いを理解していない」ことにあります。

ここでは、働き方の違いにより生まれるギャップの例を紹介します。

労働量の多さに慣れない

コンサルタントは、他と比べても業務量が多く勤務時間も長い職業です。決められた期限内にクライアントの期待を超える提案をしなければならない仕事なので、プロジェクトの繁忙期には毎日残業することもしばしばあります。

OpenWorkの調査によると、コンサルティング業界の平均月間残業時間は83.5時間で、全業界の中でトップの残業時間となっています。(※)

近年は働き方改革が進み、残業時間は減少傾向にあります。それでも未経験から転職する人にとっては、慣れるまで体力的につらいと感じる場合が多いでしょう。

約6万8000件の社員口コミから分析した‘残業時間’に関するレポート-OpenWork(参照:2023.10.20)

実力主義の風潮に対応できない

コンサルティングファームは、年功序列型ではなく成果主義・実力主義な傾向があります。年齢や勤続年数などに関係なく、成果を出すことが年収アップや昇進につながります。
そのため、事業会社と比べると競争の激しい環境だと言えます。

加えて周りに優秀な人が多くいるため、それがプレッシャーにつながる場合も。同期や年下でも「この人には敵わないな」と劣等感を抱くことがあるかもしれません。

未経験の場合は、前職とは環境が違うということを認識しておく必要があります。

 

その他にも、

  • スキルに見合わない高年収でオファーを受けて過度なプレッシャーを感じる
  • 前職の経験やスキルを十分に活かせない

といった失敗例があります。詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひ合わせて読んでみてください。

合わせて読みたい記事はこちら

コンサルタントに必要な“コンサル適性”とは?

コンサルタントは、経営者が抱える企業課題に対して原因を特定し解決策を提示・アドバイスする職業です。とても高度な業務であるがゆえに、コンサルタントとして働くうえで持ち合わせ必須の「コンサル適性」があるといわれています。

コンサルタントとして必須の“コンサル適性”

  • 論理的思考力
  • コミュニケーション力
  • ドキュメンテーション力

それぞれ以下で詳しく解説します。

論理的思考力

コンサルタントの仕事は「企業が抱える課題を解決すること」です。複雑な企業課題を整理・解決するうえで、論理的思考力はコンサルタントに必須のスキルです。

加えて、クライアントとコミュニケーションを取る際にも論理的思考力が活かされます。複雑な内容を分かりやすく伝えるために、要点を整理して簡潔に伝える力が必要です。

コミュニケーション力

コミュニケーション力は、クライアントと信頼関係を築くために重要なスキルです。

ただ自分たちの提案を伝えるだけでなく、クライアントのニーズを聞き出して相互にやり取りしながら仕事を進めていく必要があります。

いくらコンサルタントが優秀でも、クライアントからの信頼・協力が得られなければプロジェクトは進みません。その点で、コミュニケーション力はコンサルタントに必須のスキルといえるでしょう。

ドキュメンテーション力

ドキュメンテーション力は、資料を通して情報を伝える力です。

未経験からの転職では、まずアナリストやコンサルタントといったポジションにアサインされることが一般的です。そういったポジションでは、プレゼン資料や議事録の作成業務が主となります。

伝えたい情報の要点をまとめ、ひと目見て意図がきちんと伝わるような資料を作成する力が必要です。WordやExcellなどのOfficeアプリを使い慣れていることはほぼ必須でしょう。

 

コンサル転職で求められるスキルや資格について以下の記事で詳しく解説しているので、合わせて読んでみてください。

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後悔しないための転職活動の進め方

徹底的に転職活動を行う

SEとITコンサルタントは、どちらもIT・デジタル領域で業務改善・システム導入プロジェクトに携わる職業です。しかしこれまで解説してきたように、担当する役割や業務内容には違いがあります。

また、事業会社とコンサルティングファームでは、必要なスキルや職場環境にも違いがあります。転職する前と後で、働き方は大きく変わるでしょう。

それらの違いを正しく認識・理解していないと、転職後にギャップを感じて「失敗したな」と後悔することになりかねません。
そうならないために、業務内容・労働時間・職場の雰囲気・キャリアの歩み方といった観点で徹底して情報収集をすることが大切です。

自身のコンサルタント適性を確認する

「コンサル適性」のコラムでも解説しましたが、「エンジニア」と「コンサルタント」では必要となるスキルが変わります。

コンサルタントに必要なスキルを理解せずに前職での実務経験ばかりアピールしていては、いくらSEとしての経験が豊富でも採用を見送られてしまう場合があります。

前職の経験だけでなく、自身が強みにできるコンサル適性を分析して、更にそれをアピールできる過去の経験を事前に棚卸ししておくことが大切です。

1人で転職活動を進めない

コンサル業界という未経験の業界に対して、上で解説したような業界研究・自己分析をすべて1人で行うのは、とても非効率で限界があります

そのため、実際にコンサル業界で働いている人や転職経験のある人に相談することが必要です。とはいえ、違う業界の知り合いが身近にあまりいない人も多いでしょう。
その場合は、コンサル業界専門の転職エージェントを利用するのがおすすめです。

転職エージェントを利用すると、コンサル業界に精通したアドバイザーがマンツーマンであなたの転職相談に乗ってくれます。
転職のプロを活用することで、転職成功の可能性が何倍にも高まるでしょう。

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未経験業界への転職はエージェントの利用がおすすめ

ITコンサルタントへのキャリアアップを目指して、未経験のコンサル業界への転職を成功させるためには、業界専門の転職エージェントを利用すべきです。

転職エージェントを利用すると、

  • アドバイザーが業界情報を提供してくれ、業界研究を効率的に進められる
  • 転職のプロに自身のコンサル適性を分析してもらえる
  • 書類添削・面接対策など選考活動のサポートを受けられる

というメリットを得られます。

また、そこまで転職を考えていない人でも、「無料でキャリア相談ができるツール」として活用ができます。現時点での市場価値や今後のキャリアプランを相談するのに最適でしょう。

ITコンサルタントへの転職がどのくらい合っているのか迷っている人は、とりあえずエージェントに聞いてみるのがおすすめです。

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